2006 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部がんに対する化学放射線療法が創傷治癒に与える影響の研究
Project/Area Number |
16591700
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
達富 真司 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (40359716)
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Keywords | 頭頸部癌 / 化学放射線療法 / 創傷治癒 / 動物実験 |
Research Abstract |
C3H系マウスにネンブタールの腹腔内投与による麻酔を施行後、軟X線装置にて250kV、20mAで背部皮膚に放射線照射を行った。照射量は10,20,30Gyに設定した。背部皮膚のパラフィン切片を作成し、H・E染色、エラスチカ・ワンギーソン染色で組織学的変化を観察した。その結果、照射量が増加するに従って皮膚付属器(毛根)の変性、脱落、消失が著しく観察された。表皮の細胞層は減少し、その萎縮が観察された。 また、上記モデルを用いて照射1週、4週、12週目におけるNotch受容体(Notch-1)、そのリガンド(Jagged-1)、シクロオキシゲナーゼ(COX-1、COX-2)の発現を免疫組織学的に検討した。Notch受容体はリガンドと結合することにより細胞の分化や維持に関わっている。Notch-1のリガンドであるJagged-1は分化を抑制するシグナルを活性化し、広範な細胞の遊走を促進する。COX-1は生体内に恒常的に発現しているが、COX-2はストレスや炎症により発現が誘導される。照射1週間目ではNotch-1とJagged-1が毛根付近に強く発現していた。COX-1とCOX-2の発現は弱かった。4週が経過して放射線照射からの治癒機転が始まる頃になると、Jagged-1は毛根付近に限局したままであったがNotch-1はより表層の角化層まで発現が拡大した。COX-1とCOX-2はともに間質の線維芽細胞に強く発現していた。12週目では組織全体の線維化が進み、これらの物質の発現は低下していた。
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Research Products
(1 results)