2004 Fiscal Year Annual Research Report
コネキシン異常による難聴発症機序解明のための高分解能分子イメージング
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16591720
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 敏弘 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (20275225)
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Keywords | コネキシン / ギャップ結合 / グルコース / 6-NBDG / 蝸牛 |
Research Abstract |
われわれはコネキシン(Cx)突然変異による難聴発症にグルコース細胞間輸送の障害が関与するという仮説を立て、これを検証する第一段階として蝸牛におけるグルコース輸送機構を明かにしようと試みた。 ラット蝸牛におけるグルコーストランスポーター1(GLUT1)とギャップ結合蛋白質Cx26、Cx43の局在を、免疫組織化学と共焦点レーザ走査顕微鏡を用いて検討した。また蛍光グルコース誘導体[6-(N-(7-nitrobenz-2-oxa-1,3-diazol-4-yl) amino)-6-deoxy-glucose (6-NBDG)]を血中に投与し、蝸牛におけるグルコース輸送を可視化した。さらにCx26-EGFPを発現させたHela細胞集団の中の単一の細胞に6-NBDGをマイクロインジェクトし、細胞間のグルコース輸送を検討した。 GLUT1は、蝸牛管内の血管壁、血管条の基底細胞、及びラセン縁の前庭階に近い部位に強く発現していた。Cx26は血管条の基底細胞と中間細胞及びラセン靭帯のfibrocyteに広く局在していた。血中に投与された6-NBDGは、速やかに血管条及びラセン靭帯全体に輸送された。Cx26-EGFPによるギャップ結合で結合しているHela細胞集団で、単一細胞にマイクロインジェクトされた6-NBDGは周辺細胞に輸送された。ギャップ結合阻害剤であるheptanolによって、血中に投与された6-NBDGのラセン靭帯への輸送、及びCx26-EGFP発現Hela細胞間の6-NBDG輸送が阻害された。 以上よりギャップ結合が蝸牛内のグルコースの細胞間輸送に重要な役割を果たしていると考えられた。
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