2005 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部癌の化学療法における分子標的薬を用いた増感効果の検討
Project/Area Number |
16591722
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
家根 旦有 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (40220199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 武雄 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60094554)
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Keywords | 頭頸部癌 / 分子標的 / siRNA / 放射線増感 / DNA修復タンパク / p53遺伝子 / 化学療法 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
(目的)DNA修復タンパクの一つであるNBSIは、DNA2本鎖切断の修復系であるhomologous recombination repairやnon-homologous end-joining repairにおいて重要な役割を果たしている。そこでNBSIを標的としたsiRNAを細胞内導入し、これらのDNA修復経路を阻害することによってヒト癌細胞の放射線感受性を増強できるかどうかについて検討を行った。 (方法)p53遺伝子型のみが異なり、放射線感受性の異なる2種類の培養細胞株を作製した。ヒト舌癌由来のSAS細胞(正常型p53)に変異型p53を導入した細胞(SAS/mp53)とコントロール細胞(SAS/neo)を用いた。SAS/mp53細胞の放射線感受性は低く、SAS/neo細胞はSAS/mp53細胞に比べて放射線感受性は高いという性質を有する。これらの放射線感受性の異なる細胞にNBSIのsiRNAを導入した。siRNAの導入方法は、X線照射の2日前にliposome法で導入した。ウェスタンブロット法と免疫蛍光染色法でNBS1、リン酸化NBSl、Mrel1、Rad50、DNA-PK_<cs>蛋白質の細胞内局在を検索し、免疫沈降法で蛋白質結合様式について検討した。 (結果および考察)NBS1タンパクの発現をsiRNAを用いて抑制すると、p53遺伝子型の異なるSAS/neoとSAS/mp53細胞で、同程度の放射線の増感効果を認めた。NDA修復酵素の一つであるNBS1の発現を抑制することで放射線増感を認めたことは、放射線で損傷されたDNAの修復を抑制することが放射線増感につながることを示唆するものである。さらに、p53非依存的に放射線増感効果を認めたことから、放射線抵抗性のp53異常型の腫瘍にも放射線の増感効果が期待できる。
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Research Products
(3 results)