2005 Fiscal Year Annual Research Report
好酸球優位型副鼻腔ポリープの作成と副鼻腔炎発生に及ぼす真菌の関与
Project/Area Number |
16591724
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Research Institution | JICHI MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
市村 恵一 自治医科大学, 医学部・耳鼻咽喉科学, 教授 (00010471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 宏 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50245057)
田中 秀隆 自治医科大学, 医学部, 助手 (50296109)
瀬嶋 尊之 自治医科大学, 医学部, 研究員 (20326838)
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Keywords | アレルギー・喘息 / 微生物 / 動物モデル / 真菌 / 好酸球 |
Research Abstract |
好酸球性副鼻腔炎とそれに伴う鼻茸が難治性病態として問題になっているが、こうした病態の解明ならびに治療に役立つ動物モデルの作成を目的として、昨年度までに好酸球優位型の家兎上顎洞ポリープの作成を行った。その結果、モデル作成に成功しているが、この作成に好酸球ならびに細胞外マトリックスの関与が大きく、それを制御する一つの因子が線溶系であることがわかった。本年はMayo Clinic groupから提出されている真菌の好酸球性副鼻腔炎への関与の検証を兼ねて、ポリープ形成への真菌の影響をみることと、線溶系物質の鼻粘膜における存在を確認することを目的として実験を行った。 その結果、細胞のリモデリング(細胞外マトリクスの合成・分解)がポリープ形成に重要な働きをすることを示し、従来の作成法にMMP-2を導入することで上皮基底膜の破綻からポリープ形成が促進されることを確認した。真菌のうちで、わが国の副鼻腔真菌症の最も多い原因となっているアスペルギルスでは炎症が起こり、組織のリモデリングが促進される可能性が示されたが、典型的な浮腫性のポリープは形成できなかった。今後、アルテルナリアやムーコルなどを用いて、その可能性を検討していく。 線溶系物質として検討したt-PA, u-PA, PAI-1,PAI-2の全てがRT-PCRで同定され、in situ hybridization、免疫染色によりこれらが上皮と浸潤細胞に認められることがわかった。リモデリングにおいては、線溶因子がその酵素活性を規定するため、ポリープ形成にtPA, uPA, PAI-1などの線溶因子が深く関与することが示唆された。
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Research Products
(3 results)