2007 Fiscal Year Annual Research Report
喉頭その細胞生物学的特性:細胞内ステロイドシグナル伝達回路と癌細胞増殖制御
Project/Area Number |
16591734
|
Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
漆畑 保 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 講師 (70130987)
|
Keywords | 喉頭上皮細胞 / ステロイド感受性 / 細胞死現象 / シグナル伝達回路 / iRNA / マイクロアレー |
Research Abstract |
喉頭癌発生率は世界的にも男性優位性であり内外の全新性癌に対し1.8%占める(前立腺癌は3.9%1991WHO)事実がある。この現象と共にホルモン音声障害発症の解明という観点からも喉頭組織に対する男性ホルモンの作用機構の解明は臨床的に必要性が高い分野である。本研究により、喉頭器官での男性ホルモンに対する感受性の機構は、前立腺で明らかにされたものとは全く異質であり喉頭組織特有のメカニズムを介し生物活性を行っていることが明らかとなった。男性ホルモンを含む性ステロイドに対し喉頭上皮細胞は、その核内への取り込み、その後の細胞感受性(細胞増殖、細胞死誘導等の現象)を有する。しかし、喉頭上皮細胞内において既知であるこれらステロイドに対する特異mRNAは発現するものの特異受容体蛋白を翻訳発現せず、さらにまたこの共役遺伝子の転写の存在もその相互同時発現に欠いている。そこで今回機知の受容体系とは別の経路の検索を目的とし、喉頭細胞内での性ステロイド感受性における男性ホルモン受容体蛋白遺伝子の転写はあるが蛋白翻訳の喪失という特性が内在性の微小RNAによるものか否かの検討、さらには関与するRNAのスクリーニングを行った。その際、微小RNAスクリーニングキット及びアレーを使用、抽出された対象微小RNAが少数であれば遺伝子阻害実験による当該ステロイド感受性の細胞内機構への関与を検討した。しかし、それら抽出された因子が何れもが神経系や免疫系等に関与するものであり、当該性ステロイド誘導細胞死現象を関与の可能性のあるものを全く見出すことが出来なかった。
|