2004 Fiscal Year Annual Research Report
内因性光信号を「面」として記録する嗅皮質のニオイ応答
Project/Area Number |
16591735
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
小野田 法彦 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60106903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友田 幸一 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50164041)
須貝 外喜夫 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (90064625)
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Keywords | モルモット / 前梨状皮質 / 内因性信号の起源 / ニオイ濃度 / 濃度閾値勾配 |
Research Abstract |
成熟モルモットを用い、麻酔下で前梨状皮質の直上を覆う頭蓋骨を紙のように薄くなるまで削り、シリコンオイルを容れると薄い骨も透けて、記録領域が肉眼的にはっきりと見えるので、硬膜は無傷で脳脊髄液の漏出もない。記録領域に570nmの光を照射し、カメラレンズの焦点を脳表面に合わせ脳表面上の血管像を保存し、レンズの焦点を脳表面より下にある脳実質に合わせた後、脳表面上に645nmの光を照射した。ニオイ刺激によって記録領域に神経活動が生じると、その反射光の強度が僅かに変化するので、その変化(内因性光信号)をビデオカメラで記録しコンピューター処理を行い画像化した。一つの画像は320×240個の光素子からなり、計測領域は8.7×6.5 mm^2であった。異なるニオイ物質およびそれらの濃度変化によって前梨状皮質に引き起こされる内因性光信号応答を解析した。前梨状皮質では今回用いられたどのニオイにも空間的に重なり合う応答部位が見られ、ニオイの差によって区別しうるようなニオイ局在性は見られなかったが、濃度変化による応答の差が初めて明確に見出された。低濃度では前梨状皮質前方部に、高濃度では前方部に加えてさらに後方部に広がる応答パターンを示した。活性領域の面積と刺激濃度の関係はベキ関数で表わされることが判った。したがって、前梨状皮質ではニオイの濃度に関する情報は前方部から後方部へ向かって広がって行く活性領域の大きさに符号化されている。また、単一神経細胞記録の結果から、前梨状皮質前方部の錐体細胞は低い濃度閾値を持ち、後部領域の錐体細胞は高い濃度閾値を持つことが判った。すなわち、前部領域から後部領域に向かう錐体細胞の濃度閾値勾配が明らかになった。 前梨状皮質でのニオイ濃度の符号化は、前部から後部にかけて前梨状皮質へ投射する求心性入力の空間的分布密度の差に基づいていると考えられる。
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Research Products
(3 results)