2004 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウムイメージングとパッチクランプによる緑内障治療薬の神経保護作用の検証
Project/Area Number |
16591741
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐々木 次壽 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (00338188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 和久 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (80179168)
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Keywords | 電位依存性L型カルシウムチャネル / 低酸素 / 網膜神経節細胞 / ミューラー細胞 / NMDA受容体 / 細胞種選択的カルシウム指示薬負荷 |
Research Abstract |
網膜スライスにおける神経節細胞(GC)とミューラー細胞(MC)のCaイメージングを用いた低酸素応答の解析 目的:低O_2条件下での網膜スライスにおける細胞種特異的な細胞内Ca^<2+>濃度[Ca^<2+>]_Iの変化とそのメカニズムを調べる. 方法:ラットの硝子体に非エステル型fura-2を注入しMC選択的にfura-2を負荷した.眼杯の視神経断端に非エステル型fluo-3を接触させてGC選択的にfIuo-3を負荷し[Ca^<2+>]_i測定を行なった。 結果:スライス標本を低O_2条件にすると[Ca^<2+>]_i上昇が認められた(MC:Δratio 0.11±0.02,Mean±SD),GC(0.14±0.04)。この[Ca^<2+>]_i上昇はglu受容体阻害薬APV(60μM)でMCにおいては抑制されず,GCにおいて局所的に抑制されたMC(0.09±0.01),神経節細胞層(0.12±0.01,),IPL(0.04±0.04,p<0.005).CNQXはMC,GC共[Ca^<2+>]_i上昇を抑制しなかった.ニフェジピンはMCの[Ca^<2+>]_i上昇を抑制した(0.02±0.02,p<0.005)が,GCでは抑制しなかった(0.13±0.01). 考察:細胞種特異的Ca指示薬負荷法は網膜スライス内のGCとMCに選択的に負荷させ,各々独立して[Ca^<2+>]_I測定可能となった.低O_2条件下でのMCの[Ca^<2+>]_i上昇はL型Caチャネル阻害薬により抑制され,GCの樹状突起部ではNMDA受容体阻害薬により抑制されることから,MCではL型Caチャネルが,GCの樹状突起部ではNMDA受容体が[Ca^<2+>]_i上昇に関与すると考えられる. 結論:低O_2条件下でのMCの[Ca^<2+>]_i上昇はL型Caチャネルにより,GCの樹状突起部ではNMDA受容体を介する.
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