2005 Fiscal Year Annual Research Report
常染色体優性遺伝視神経萎縮におけるOPA1遺伝子の関与と、形態的機能的検討
Project/Area Number |
16591746
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 誠 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60283438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺崎 浩子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40207478)
近藤 峰生 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80303642)
伊藤 逸毅 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10313991)
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Keywords | 常染色体優性視神経萎縮 / 分子遺伝 / 遺伝子変異 / OPA1遺伝子 / optical coherence tomography / 網膜神経線維層 / 錐体網膜電図 / photopic negative response |
Research Abstract |
平成17年度は、平成16年度に引き続き常染色体優性視神経萎縮(ADOA)の患者のOPA1遺伝子を検討し、さらに変異が検出された症例については、視力、視野、色覚等とともに、Optical coherence tomography(OCT)3による形態解析及び電気生理学的解析による詳細な臨床像の検討を行った。 OCT3による後極部網膜の各層の厚さを検討した結果、軽症例を含めて全例で網膜神経線維層が著しく菲薄化しており、これに対して外顆粒層や視細胞外節などの網膜外層の厚さは正常だった。神経節細胞を含む層にも菲薄化がみられた。これらの結果によりADOAの主な障害部位は網膜内層であることが生体内で確認された。OCTはこの疾患の診断にも有用であることが分かった。またOCT3を用いて視神経乳頭の形状を解析したところ、ADOAでは正常よりは有意に深い視神経乳頭の陥凹がみられることを確認した。この陥凹は正常眼圧緑内障(NTG)よりは浅く、ADOAとNTGの鑑別には注意を要すると考えられる。 近年他の視神経疾患では全視野錐体網膜電図(ERG)のphotopic negative response(PhNR)に異常が検出されることが示されているが、ADOAでもPhNRの振幅の低下が見られ、機能的にもADOAでは網膜内層成分が障害されていることを確認した。また一般にADOAではERGのb波の振幅は正常であるが、なかにはb波の振幅が低下して白色閃光による杆体錐体混合ERGが陰性型を呈する場合もあることを見い出した。OCT3やERGにより評価された障害の程度と遺伝子型との相関関係は確認されなかった。
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Research Products
(12 results)