2004 Fiscal Year Annual Research Report
眼内血管新生における血管新生抑制因子の発現解析と治療効果の検討
Project/Area Number |
16591751
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大島 佑介 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20362717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瓶井 資弘 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40281125)
生野 恭司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50294096)
大路 正人 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90252650)
田野 保雄 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80093433)
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Keywords | 血管新生抑制 / 血管内皮細胞 / コンドロモジュリン / テノモジュリン / 細胞増殖 / 細胞接着 / 管腔形成 / 抗腫瘍効果 |
Research Abstract |
ヒトコンドロモジュリン(ChM-I)とヒトテノモジュリン(TeM)の相同するC末端機能ドメインcDNA断片を哺乳類細胞に分泌型タンパクとして遺伝子発現する発現ベクターに遺伝子組み換え換作にて組み込みを行い、さらにアデノウイルス用のベクター構築を行った。ヒト血管内皮細胞ならびにヒト網膜色素上皮細胞を培養し、ウイルス感染による遺伝子導入を行い、血管内皮細胞に対するヒトChM-IおよびヒトTeM相同機能ドメインの血管新生抑制効果を証明した。ヒトChM-IおよびヒトTeM機能ドメインは、2種の血管内皮細胞において、細胞の接着作用、遊走作用、細胞増殖、さらに管腔形成、すなわち血管新生に関わる細胞機能の各段階をすべて有意に抑制した。とりわけ、ヴィトロネクチンを介する細胞接着を抑制することにより、ヒトChM-IおよびヒトTeMと細胞接着因子であるインテグリンファミリ(αvβ3、αvβ5)との関わりが示唆された。また、動物実験においては、メラノーマ腫瘍株にヒトChM-IおよびヒトTeM機能ドメインを自己分泌する遺伝子導入を行い、マウス皮下に注入する腫瘍増殖実験では、遺伝子導入された腫瘍株での固形腫瘍の増殖が著しく抑制され。また、各腫瘍塊における血管侵入数の評価において、上記分泌タンパクの遺伝子導入株では、侵入した新生血管数が有意に減少した。このことから、ヒトChM-IとヒトTeMは新生血管の抑制を介する抗腫瘍効果を有することが示唆された。以上のことから、ヒトChM-IとヒトTeMの相同する機能ドメインを含む低分子分泌型ペプチドを作成することにより、新たな抗腫瘍薬、抗血管新生薬の開発の可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)