2005 Fiscal Year Annual Research Report
眼内血管新生における血管新生抑制因子の発現解析と治療効果の検討
Project/Area Number |
16591751
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大島 佑介 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20362717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瓶井 資弘 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40281125)
生野 恭司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50294096)
田野 保雄 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80093433)
大路 正人 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90252650)
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Keywords | 血管新生抑制 / 血管内皮細胞 / コンドロモジュリン / テノモジュリン / 遺伝子発現 / 血管内皮増殖因子 |
Research Abstract |
前年度で構築に成功したヒトコンドロモジュリン(ChM-I)とヒトテノモジュリン(TeM)の相同するC末端機能ドメインcDNA断片を分泌型タンパクとして遺伝子発現する発現ベクターに遺伝子組み換え操作にて組み込みを行い、アデノウイルスベクターとして哺乳類動物細胞に遺伝子導入するベクターをP2レベルで作成を完了した。ウイルスベクターによって血管内皮細胞ならびに網膜色素上皮細胞に遺伝子導入して得られた培養上清を用いて、血管内皮細胞の増殖抑制、遊走抑制効果を測定したところ、両細胞から得られた培養上清とも抑制効果を有する効果が得られた。また、両細胞から得られた培養上清とも、ChM-IならびにTeMのC末端ペプチドを分泌タンパクとして含有することをウエスタンブロット法にて確認できた。また遺伝子導入した血管内皮細胞をラミニン、ビトロネクチン、タイプIコラーゲンでコートした培養ディッシュならびにダブルチャンバにて接着および遊走実験を行ったところ、ビトロネクチンコート上で有意に接着と遊走が抑制されたことから、インテグリリンαvβ3ならびにαvβ5ファミリーの関与が示唆されました。しかし、細胞表面での両インテグリリンの発現変化を見出すことはできなかった。なお、現段階において、ChM-IならびにTeMを検出する抗体の作成には至ったが、ELISA法による検出感度レベルの精度には至っておらず、患者からの検体採取による硝子体内ならびに前房水内でのChM-IならびにTeMのタンパク発現レベルの測定にまだ着手しておりません。ただし、糖尿病網膜症患者のうち、血管新生を併発する症例における抗血管内皮増殖因子(VEGF)に対する中和抗体の硝子体内投与により、著しく新生血管の活動性が抑制されたことから、VEGF刺激に対するChM-IならびにTeMの抑制効果を評価することで、眼内でのChM-IならびにTeMの有効性が示唆されている。
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Research Products
(6 results)