2004 Fiscal Year Annual Research Report
加齢黄斑変性症における光による酸化ストレスとLeptinの血管新生作用
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16591758
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小川 月彦 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (50346962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北岡 隆 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80234235)
藤川 亜月茶 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (60363503)
三島 一晃 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90284687)
今村 直樹 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10380841)
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Keywords | 加齢黄斑変性 / 酸化ストレス / 光障害 / 網膜色素上皮 / レプチン |
Research Abstract |
加齢黄斑変性における脈絡膜新生血管は、網膜への光照射の酸化ストレスが誘引となることが推測される。今研究の主眼は、網膜光障害から新生血管出現の過程を解明し、新生血管の抑制を図ることである。 まず、光照射が網膜色素上皮に障害をきたすことをラットで示した。具体的にはラットに200-250 foot candleの緑色光を24時間照射し、眼組織を電子顕微鏡で観察し、網膜色素上皮細胞の形態変化を確認した。光照射後初期では、酸化ストレスの原因となる視細胞外節の断片が蓄積し、変形した網膜色素上皮細胞がそれを貪食し、マクロファージが網膜色素上皮層に遊走する像がみられた。後期には網膜色素上皮細胞の変性と壊死がみられたが、上述の照射条件では網膜色素上皮細胞の形態が正常化している部もあった。 次に、細胞レベルでの酸化ストレス障害を評価するために、培養網膜色素上皮細胞で実験を行った。具体的には、網膜色素上皮細胞の培地に様々な濃度の過酸化水素を加え、細胞の形態変化、細胞の生存率、そして活性酸素量を検討した。細胞の形態変化は30分間の暴露では過酸化水素1mM以上でみられた。細胞生存率は10mM以上で急激に低下した。活性酸素測定では過酸化水素濃度依存的に活性酸素の増加が認められた。我々は血管新生にレプチンレセプターが関与していると想像しているが、現在までの実験ではレプチン投与では網膜色素上皮細胞の活性酸素は増加しないようだ。 また、遺伝子導入実験に備え、非ウイルスベクターを作成しウサギ眼での遺伝子導入効率を調べた。 今後は酸化ストレス培養網膜色素上皮細胞と光障害ラットにおいて、抗酸化酵素、血管内皮細胞増殖因子やレプチンレセプターの発現を測定し、抗酸化物質の投与そして抗酸化酵素発現遺伝子やレプチンレセプターのantisense geneの導入により酸化ストレスが軽減されないか研究し、報告する予定である。
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Research Products
(3 results)