2004 Fiscal Year Annual Research Report
角膜におけるTRAFファミリータンパク質の発現とTRAFシグナル伝達機構
Project/Area Number |
16591772
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岩田 光浩 日本大学, 医学部, 講師 (50193751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 良弘 日本大学, 医学部, 講師 (80206549)
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Keywords | 角膜 / 角膜上皮 / 角膜実質 / 角膜内皮 / TRAF / CD40 |
Research Abstract |
正常ヒト角膜および培養ヒト角膜上皮(HCE)・実質(HCS)細胞におけるTRAF1〜6の発現を免疫染色で検討した。 1.結果 (1)正常ヒト角膜におけるTRAF1〜6の発現 (1)角膜上皮:TRAF1(+)TRAF2(+)TRAF3(-)TRAF4(+)TRAF5(+)TRAF6(+).細胞内局在についてはすべて細胞質に発現がみられた。ただし、TRAF2は核にも発現がみられる細胞があり、加えて発現がsuperficial layerで強く細胞の分化レベルとの関連性が示唆された。 (2)角膜実質:TRAF1(+)TRAF2(+)TRA3(-)TRAF4(+)TRAF5(+〜±)TRAF6(+〜±).細胞内局在については組織切片では判定できず、現在新たな方法で検討を行う考えである。 (3)角膜内皮:TRAF1(+)TRAF2(+)TRA3F(-)TRAF4(+)TRAF5(+)TRAF6(+).ただし、細胞形態を保っている組織を入手するのは困難であり、発現および細胞内局在については今後得られる組織で検討を続ける考えである。 (2)培養ヒト角膜上皮(HCE)・実質(HCS)細胞におけるTRAF1〜6の発現 (1)HCE細胞:TRAF1(+)TRAF2(+)TRA3(-)TRAF4(+)TRAF5(+)TRAF6(+).細胞内局在は、TRAF1が核に強く発現がみられその他は細胞質に発現していた。 (2)HCS細胞:TRAFの発現・細胞内局在はHCE細胞とほぼ同様であった。 2.まとめ・考察 正常ヒト角膜ではTRAF1〜6の発現は上皮・実質・内皮で同様であり、TRAF3を除く他はすべて発現がみられた。また、培養上皮細胞・実質細胞でも正常角膜と同様のTRAF発現がみられた。TRAF発現の細胞内局在はまだ今後の検討を必要とするが、今回の研究結果から、(1)正常角膜の恒常性におけるTRAFの役割、(2)TRAFと細胞増殖との関連性について、今後新たに検討する価値があると思われる。
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