2004 Fiscal Year Annual Research Report
β-シトリルグルタミン酸の鉄イオン依存性フリーラジカル発生におよぼす影響
Project/Area Number |
16591776
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
三宅 正治 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (50093943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 美知子 神戸学院大学, 薬学部, 実験助手 (10248106)
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Keywords | β-シトリルグルタミン酸 / 金属キレート体 / 鉄イオン依存性フリーラジカル |
Research Abstract |
1.金属キレート体の定性分析法の確率 TLC(シリカゲルおよびセルロース)を行い、β-CGと金属イオンのRf値の変動より、そのキレート効果を多元素同時に分析できる実験系をほほ確立することに成功した。 2.金属イオンキレート効果の定量的分析法の確立 Fe(II)の水酸化物(沈殿)に種々の濃度のβ-CGを加えた後、遠心しその上清について、Fe(II)に特異的なキレート試薬(o-Phernanthroline)にて発色し比色定量する基本実験系に、種々の金属イオンを加え、Fe(II)とβ-CGとのキレート形成を阻害する比率を算出することによって定量的分析法をほほ羅立することに成功した。 3.精巣からβ-CGー金属イオンキレート体の精製単離 ラット精巣から、おもにゲルろ過法を用いてβ-CG分画を精製し、その分画をICP-MSで分析することによって、β-CGとキレートする金属イオンを検索したところCa, Zn, Fe, Cuが検出された。 4.幼若ラット脳およびウシ水晶体からβ-CGー金属イオンキレート体の精製単離 幼若ラットの脳ならびにウシ水晶体から、β-CG分画を精製し、ICP-MSで分析したところCa, Zn, Fe, Cuが検出された。 5.鉄イオン依存的フリーラジカル発生に対するβ-CGの影響 フリーラジカル測定系として、(1)アスコルビン酸酸化法、(2)安息香酸水酸化法、(3)デオキシリボース分解法を用いて、活性酸素発生にたいするβ-CGの影響を調べたところ、(1)および(2)法では全く影響は認められなかったが、(3)デオキシリボース分解法ではβ-CGが濃度依存的に抑制することを見いだした。 6.鉄イオン依存的フリーラジカルによる生体内分子ダメージに対するβ-CGの影響 フリーラジカルによる生体内分子の傷害に関し、脂質については(3)脂質過酸化法、核酸については(4)ブレオマイシンー鉄(II)-INA分解法を用いてβ-CGの影響を測定した。6脂質過酸化には全く影響は認められなかったが、核酸についてはブレオマイシンー鉄(II)-DNA分解法において高濃度で抑制することを見いだした。
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