2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアレイ法による末梢神経再生に関与する遺伝子の同定とその機能解析
Project/Area Number |
16591793
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
細川 亙 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20181498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 健二 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40174560)
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Keywords | 末梢神経再生 / 坐骨神経 / cyclin-dependent kinase inhibitor p21 / radial growth / neurofilament |
Research Abstract |
坐骨神経損傷後7日でcyclin-dependent kinase inhibitor p21は後根神経節で有意に発現上昇する。このことはsensory nerveの再生に対するp21の関与を示唆するが、p21 knock out(KO)マウスの坐骨神経損傷後の機能回復の解析(平成16年度実績)によって、損傷後28日目においてKO群で有意な運動機能回復の遅れが明らかとなった。この結果、p21がmotor nerveの再生にも関与していることが示唆された。そこでp21のmotor nerve regenerationにおける役割、及びそのメカニズムについて調べた。 野生型(WT)マウスの片側坐骨神経損傷後7,14,21,28日目に損傷側、非損傷側各々の脊髄前角細胞よりtotal RNAを抽出し、RT-PCR法によりp21のmRNAの発現を経時的に測定、比較した。損傷後14日目において,損傷側で非損傷側に比べ有意なp21 mRNAの発現上昇を認め、それは損傷後21日目まで持続していた。 P21 KO群の平均再生軸索周径はWT群に比し、28日目において有意に小さい値示したが(平成16年度実績)。このことは、p21が神経回復の過程における、いわゆるradial growthに関与していることを示唆する。このメカニズムを調べるため、再生軸索のタンパク分析を行った。損傷後28,56日目の坐骨神経をP21 KO群,WT群より採取し、western blotting analysisを行った。その結果KO群において、radial growthの主要な因子とされるリン酸化-neurofilament-H subunitの過剰蓄積を認めた。リン酸化NF-Hが蓄積する大きな因子としては、CDK-5の活性化が知られている。したがって、p21 KOマウスのradial growthが阻害されるメカニズムとして、(1)CDK-5の阻害因子であるp21の欠如→(2)CDK-5の活性化→(3)再生軸索におけるリン酸化neurofilament-H subunitが蓄積→(4)正常なradial growthを妨げる、というもの考えられた。
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Research Products
(1 results)