2004 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚潰瘍、過剰線維化瘢痕に対する幹細胞分子生物学手法を用いた創傷再生
Project/Area Number |
16591795
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
秋田 定伯 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90315250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋野 公造 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (60284668)
永山 雄二 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30274632)
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Keywords | 創傷治癒 / 上皮転換 / 骨髄由来幹細胞 / 間葉系マーカー / ヌードラット |
Research Abstract |
巨大な創傷治癒遅延状態の皮膚や、皮膚組織欠損は生命の危機に繋がる事がある。成人幹細胞は組織再生に有用である事が判明している。ヒト間葉系幹細胞(hMSCs)は自己増殖生で様々な細胞・組織に分化可能である。 皮膚組織欠損に対するhMSCsの効果・役割はあまり知られていない。hMSCs播種したブタ由来皮膚代用物の創傷治癒効果の検討を実施し、実験モデルでは免疫性を抑制する目的でヌードラットを用いて行った。1.5×1.5cm^2の全層欠損は、肉様膜を含み、hMSCsまたは、bFGF (basic Fibroblast Growth Factor、塩基性線維芽細胞増殖因子)を創傷の大きさに合わせ被覆した。創傷の大きさ、組織標本、蛋白発現、を術後3日、7日、42日で検討した。創傷の大きさは、hMSCsを含んだ実験群で1から100μgのbFGF添加で創傷治癒促進した。再上皮マーカーであるインテグリンα3や皮膚由来抗ロイコプロテイナーゼ(Skin-derived anti-leukoproteinase, SKALP)はbFGF存在下で容量依存的に発現上昇し、間葉系マーカーであるCD29、CD44マーカーは反対に時間依存性に制限された。ヒト汎サイトケラチンは、ウェスタン・ブロット法にて、術後7日でラット抗原に反応しないが、38kDaと42KDにhMSCs由来の組織では、発現が認められる。免疫組織染色では抗ヒト汎サイトケラチンはhMSCs群でのみ発現が認められた。これらデータからhMSCはbFGFと共に皮膚欠損モデルにおいて創傷治癒促進し、上皮へ転換(trans-differentiation)するのかもしれない事が判明した。
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Research Products
(7 results)