2005 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚潰瘍、過剰線維化瘢痕に対する幹細胞分子生物学手法を用いた創傷再生
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16591795
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
秋田 定伯 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90315250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋野 公造 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (60284668)
永山 雄二 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30274632)
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Keywords | 創傷治癒 / サイトカイン / 骨髄間葉系幹細胞 / 水分量 / 臨床評価 / 分子機構 / 瘢痕の質 |
Research Abstract |
骨髄由来細胞は、サイトカイン・細胞増殖因子などの適切な刺激により増殖、分化可能である。ヒト間葉系幹細胞(hMSC)は自己増殖し、生体内投与により創傷治癒促進させる。そこで、移植細胞と移植母床細胞とのin vitroでの走化遊走性、増殖性、微小形態につき検討し、表皮形成、細胞増殖性を検討した。hMSCを二重隔壁チャンバーの直径8μmのポアサイズ膜上に播種し、下段に(1)ヒト表皮角化細胞、(2)ヒト真皮由来線維芽細胞、(3)血管内皮細胞と共に16時間培養すると、ヒト表皮角化細胞との隔壁培養で有意に細胞遊走性を認めた。次いで、hMSCと表皮角化細胞を直接培養すると、細胞表面から微小絨毛様構造を認め、hMSCと表皮角化細胞は結合した。細胞外マトリクスとしてフィブロネクチンの免疫細胞発現、免疫電顕発現を認めた。更に臨床肥厚性瘢痕またはケロイドは熱傷創など一度に広範囲の、深達姓の障害の場合の結果となることがある。臨床的に早期のデブリードマン、植皮術により病悩期間の短縮のみならず、創・癒痕は良好となることが多い。熱傷創から放出され、液性因子のサイトカインのうち、塩基性線維芽細胞増殖因子(basic Fibroblast Growth Factor, bFGF)は、創傷初期から中期までに細胞増殖・分化能を有する事が知られているものの、実際の植皮術後の瘢痕の質についての研究はされていなかった。今回の植皮術にbFGFの早期からの投与により、癒痕は臨床的評価柔らかく、硬度計による計測でも有意に低硬度の瘢痕となった。既に報告しているように、bFGFはhMSCの早期の増殖性と亢進することから、瘢痕に対する新しい治療法になりうる。
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Research Products
(7 results)