2005 Fiscal Year Annual Research Report
ケロイドおよび肥厚性瘢痕に対するアポトーシス誘導療法の開発に関する研究
Project/Area Number |
16591800
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
平林 慎一 帝京大学, 医学部, 教授 (60173259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 和彦 帝京大学, 医学部, 助手 (00328056)
成田 圭吾 帝京大学, 医学部, 助手 (60407955)
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Keywords | ケロイド / 肥厚性瘢痕 / 初代培養 / アポトーシス / 保存的療法 |
Research Abstract |
1)引き続きインフォームド・コンセントを得た上で外科的治療の際に得られる検体を採取した。未治療のケロイド・肥厚性瘢痕群のみならず、アポトーシス誘導能が既に証明されているtriamcinolone acetonide局所注射を数回行った検体および、血管新生を抑える目的でパルス色素レーザーを照射した検体が得られた。これらの検体は一部は病理学的診断を行い、一部は凍結組織標本としてディープフリーザーに保存し、一部は初代培養を行ってケロイド・肥厚性瘢痕由来線維芽細胞およびケロイド・肥厚性瘢痕由来表皮角化細胞を各5株ずつ得ることができた。一方、皮弁移植術の際にトリミングの結果得られる正常皮膚検体からもインフォームド・コンセントを得た上で同様の作業を行い正常線維芽細胞および正常表皮角化細胞を各5株ずつ得ることができた。 2)ケロイド・肥厚性瘢痕動物モデル作成に関しては、大量の切除組織標本が得られた2例について、nude ratおよびnude mouseに移植を行ったが完全生着の結果は得られなかった。 3)上記の結果より、平成17年度は、研究の主体をin vivoではなくin vitroとし、収集した検体組織および初代培養細胞および初代培養線維芽細胞・表皮角化細胞についてp53およびp53標的遺伝子群、各種レチノイド受容体のプライマーを用いた定量的RT-PCRを行い、mRNAレベルでの発現を解析した。 4)Adenovirus Expression Vector Kitを用いて、更に導入効率の高いp53強制発現ベクターを作成した。 5)上記の初代培養線維芽細胞を用いて、新製したp53強制発現ベクターの導入効率を、定量的RT-PCRを行いmRNAレベルでの発現を解析したところ、約3倍の効率で導入された。 6)収集した検体組織および初代培養細胞および初代培養線維芽細胞・表皮角化細胞についてp53およびp53標的遺伝子群、各種レチノイド受容体のプライマーを用いたRT-PCR, in situ hybridization, in situ RT-PCRを行い、mRNAレベルでの発現を解析し、p53強制発現ベクター(プラスミド)および、天然・合成レチノイドを、ヒト正常線維芽細胞・表皮角化細胞およびケロイド由来線維芽細胞・表皮角化細胞の各単層培養系に投与し、効率の良い導入法を確立し、アポトーシス誘導状況の評価を行う予定である。
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