2005 Fiscal Year Annual Research Report
血管柄付骨膜弁とハイドロキシアパタイトによるハイブリッド型人工骨の研究
Project/Area Number |
16591803
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
丸山 優 東邦大学, 医学部, 教授 (00101931)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 優 東邦大学, 医学部, 教授 (10170135)
林 明照 東邦大学, 医学部, 講師 (30218557)
佐瀬 道郎 東邦大学, 医学部, 講師 (60266947)
蛭田 啓之 東邦大学, 医学部, 講師 (50201736)
|
Keywords | 肋骨骨膜付き広背筋弁 / 多孔性ハイドロキシアパタイト / 血管柄付き人工骨 |
Research Abstract |
優れた生体親和性を有する代用骨として臨床応用されている多孔性ハイドロキシアパタイトブロック(PHAB)と血管柄付き骨膜を組み合わせた人工骨作成に関わる基礎的な知見を得るため、血管柄付き家兎肋骨骨膜をPHAB圧着した人工骨モデルを作成し、PHAB気孔内の骨形成過程について評価・検討を行った。組織学的に経時的に進行する成熟骨の形成を確認、さらに赤芽球島を有する脂肪組織の形成ならびに気孔連通部を介した毛細血管網の形成をみた。一方、筋肉圧着ブロックの気孔内には、全実験期間内で骨および脂肪の形成は認めなかった。骨膜圧着ブロックにおける骨化率は、術後4、8、12週で各々平均0.00%、2.00%、3.15%であった。12週目の各気孔の骨形成率(気孔面積に対する骨面積比)と圧着骨膜間距離についてPearsonの積率相関係数を求め、z変換により検証したところ、有意な負の相関(係数-0.279、p<0.001,n=1038)を得た。気孔内における各組織の立体的分布は、骨が半径の外側約90%以遠、脂肪は約90-80%の間に多く形成され、半径70%よりも中心側では毛細血管を含む線維性結合織から構成されていた。本研究により、血行を保持した骨膜を圧着したPHABでは、気孔内において高い再現性を有する骨形成が誘導されることを確認した。さらに気孔内骨形成が12週まで経時的に進行すること、圧着した骨膜近傍の気孔より進行すること、気孔内で最外層から骨、造血細胞島を有する脂肪、血管の豊富な線維性結合織による3層構造が形成されることが明らかとなった。以上の結果より、間葉系幹細胞が骨ならびに脂肪に分化すること、ならびに気孔内への定着に際し骨膜の深い関与が示唆された。これらは、PHABと骨形成能を有する血管柄付き骨膜との組み合わせが有用な骨組織再建材料のひとつである可能性を示唆する基礎的な知見と考える。(Hirata A, Hayahshi A, Maruyama Y : Sequential histological examination and morphometric analysis on osteogenesis in the pores of porous hydroxyapatite with attachment of vascularized periosteum. J.Jpn.Cranio-Max.-Fac.Surg.,21,259-270,2005)
|
Research Products
(2 results)