2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591812
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
成尾 浩明 宮崎大学, 医学部, 助手 (10274797)
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Keywords | プロポフォール / 神経再生 / シナプス形成 / リムネア |
Research Abstract |
集中治療室における患者の鎮静にプロポフォールが頻用されている.しかし,ときに鎮静は長期に及ぶ場合があり,損傷した神経系が長期にプロポフォールにさらされる.ここで使用する水棲カタツムリ(リムネア)は,特定の機能を持った脳細胞を比較的簡単に同定することができ,この同定された神経間でシナプスを再構築できる.つまり静脈麻酔薬の神経に対する作用を直接知ることができる. 1.神経再生への影響に関する実験 リムネアを解剖皿に固定し,脳を取り出す.外膜処理を行い,Pedal A細胞を抽出する.取り出したPedal A細胞をCMを含んでいるディッシュに置き培養する.細胞培養12-18時間後に神経の軸索の広がり具合を観察する(コントロール群).次にCMに50μMのプロポフォールを投与したもので同様の実験を行う(プロポフォール群).これらを比較することによりプロポフォールが神経再生に影響を及ぼすかどうかを調べた. 結果:各群でほぼ相違はなかった.このことよりプロポフォールは神経再生には影響を及ぼさないということが明らかにされた. 2.シナプス形成への影響に関する実験 前実験と同様の処置を行いVD4とLPeD1を抽出する.抽出したそれぞれの細胞をCMを注いだディッシュ(コントロール群)と,CMに50μMのプロポフォールを投与したものを注いだディッシュ(プロポフォール群)に置き培養する.細胞培養後、EPSPが得られるかどうかを確かめる. 結果:CMに50μMのプロポフォールを投与した群(プロポフォール群)ではシナプス形成は見られなかった. 3.その他の実験 プロポフォールの作用が可逆的であるかどうかを調べるため,プロポフォール群のディッシュをリムネア生理食塩液で洗い流し,その後新しくCMを注ぎ3-4時間培養する.その状態でEPSPが得られるかどうかを調べる.現在この研究を行っている段階である.
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