2005 Fiscal Year Annual Research Report
フリーラジカルから見た神経救急疾患の病態解明と新規治療法の開発
Project/Area Number |
16591815
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
有賀 徹 昭和大学, 医学部, 教授 (40266086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土肥 謙二 昭和大学, 医学部, 助手 (20301509)
佐藤 和恵 昭和大学, 医学部, 客員教授 (90053941)
塩田 清二 昭和大学, 医学部, 教授 (80102375)
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Keywords | free radical / 活性酸素 / モニタリング / 脳損傷 / alkoxy radical / 脂質過酸化 / ヒト / 脳低温療法 |
Research Abstract |
神経疾患においては、その病態において酸化ストレスがいろいろな役割を演じていることが報告されている。今まで活性酸素は生体内において捕捉することはきわめて困難とされてきた。既存の酸化ストレスマーカーは直接的な活性酸素の測定とは違い臨床的な実用性については未だ議論が残る。本研究では生体計測電子スピン共鳴(ESR)・スピントラップ法を用いたフリーラジカルモニタリングの開発を行った。 検体は頸静脈血(全血)を用いた。radicalのESR spin trapping methodにて行った。さらに本年度はラジカル種を同定すべくコンピュータシュミレーション、さらにin vitro ESR法を用いたラジカル種同定を行った 本法によって計測しているラジカル種はカタラーゼ、あるいはディフェロキサミンとの反応よりヒドロキシルラジカル(OH・)ではなく、脂質過酸化に強く関係するアルコキシラジカル(RO・)であった。また、昨年ex vivoで証明したエダラボンのRO・消去能をin vitroでも世界で初めて証明した。 また、神経救急疾患におけるフリーラジカルモニタリングの検討でRO・測定は安定して行えるようになり、臨床的病態を反映していた。また、ラジカル制御を目的とした脳低温療法を行っている症例やedaravone投与症例ではRO・産生は抑制されていた一方で高気圧酸素療法を行っている患者ではoxygen radical産生は亢進していた。 15年度の研究結果で頸静脈血中のoxygen radicalが増加していることを報告したが、16年度の研究の結果、ラジカル種はRO・であった。RO ・は脂質過酸化に強く関与している一方で、その産生経路より他のO_2^<-・>やOH^-の産生を間接的に表していると考えられる。この結果は、本法がきわめて鋭敏に患者における生体内の酸化ストレスを反映していることを意味している。これらの結果よりフリーラジカルモニタリングとして機能しうる結果となった。 15年16年度の検討で臨床症状や治療効果とoxygen radical産生量の変化は極めて鋭敏に反映していた。17年度はラット頭部外傷モデルにおけるRO・の産生について検討した。その結果、頭部外傷後6-12時間後に頸静脈のRO・がピークとなり、エダラボンの投与によって抑制されていることを証明した。
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Research Products
(2 results)