2004 Fiscal Year Annual Research Report
良性口腔腫瘍の二次的悪性転化機構に関する分子病理学的検討
Project/Area Number |
16591821
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
程 くん 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40207460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依田 浩子 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60293213)
大城 和文 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50332648)
朔 敬 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40145264)
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Keywords | 唾液腺多形性腺腫 / 顎骨石灰化歯原性曩胞 / 細胞培養 / がん関連遺伝子 / 遺伝子変異 / DNAチップ / DNAシークエンス / RT-PCR |
Research Abstract |
(1)細胞培養:ヒト唾液腺多形性腺腫より樹立したMPA1-MPA6細胞、ヒト石灰化歯原性嚢胞由来COC1-COC6細胞について、維持培養した。免疫細胞化学、RT-PCR法、染色体標本作製、FISH法のために細胞を培養し、周密化までの適切な時期に固定、回収した。 (2)免疫細胞化学および遺伝子発現の検索:上記細胞の性格を確認するために、1.2x10^4細胞を35mmの培養皿に植え込み、経時的に4%パラフォルムアルデヒトで固定後、導管上皮細胞マーカとしてのcytokeratin(pan-keratin)、CK19、MUC-1、EMA、UEA-I結合と、筋上皮細胞マーカとしてのS-100蛋自質、CK14、myosin、エナメリンはじめ各種エナメル蛋白質等の発現を蛍光抗体法にて検討した。さらに、細胞層より全RNAを回収してRT-PCR法をもちいて、上記分子の遺伝子発現状況も同時に検索し、細胞系によって異なる細胞分化方向性について同定した。 (3)ヌードマウス移植実験:上記の株化細胞を、各種それぞれ5-6日間培養し、1.5x10^7/0.5mlの濃度に調整し、生後一週齢のヌードマウスの皮下に移植した。移植腫瘍が1cm程度に成長した段階で外科的に切除し、通法にて10%フォルマリンで固定パラフィン切片を作製し、HE染色をはじめ、上記の免疫組織化学的検索をおこない、腫瘍性格を確認した。同時に、新鮮組織をもちいたRT-PCR法にて、移植腫瘍遺伝子の発現を同定した。また、各移植腫瘍のソース細胞株、さらにそれらの原発巣唾液腺多形腺腺腫とのDNAチップ法による比較解析を同時に実施し、良性腫瘍からの悪性転化にともなう特異的遺伝子発現様式を確定した。 (4)がん関連遺伝子変異の検索:樹立した各種細胞株、移植腫瘍およびその原発腫瘍から、通法にてゲノムDNAを抽出し、フェノール・クロロホルム法により精製し、PCR法にてがん関連遺伝子を、とくにがん抑制遺伝子p53について、各exonごとに増幅し、アガーロスゲル電気泳動で増幅産物を確認した。PCR産物をカラム精製し、ダイレクトDNAシークエンス法にて、がん関連遺伝子の変異をみいだし、細胞間の共通性について解析した。
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Research Products
(3 results)