2005 Fiscal Year Annual Research Report
複雑系骨リモデリングシミュレ-ションを利用したヒト骨疾患モデルの解析
Project/Area Number |
16591823
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
手塚 建一 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50236973)
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Keywords | シミュレーション / 有限要素法 / 骨リモデリング / 再生医療 / 大理石病 |
Research Abstract |
ヒト下顎骨疾患モデル解析の実用化に向けた研究を中心に、関節組織のモデル化やマウスの脛骨モデルの構築などをおこなった。下顎骨疾患の解析のために、ラトック社のソフトウエアを導入し、3次元ボクセルモデルの構築が容易になった。ラトック社とは、岐阜大学マッチングファンドを利用したソフトウエア共同開発を進める共同研究契約を結び、ヒト骨疾患の解析の実用化に向けて、大きな一歩を踏み出した。他大学との連携も進め、矯正治療への応用を目指して、各種咬合異常を持つ患者のモデル解析をスタートさせた。 iBoneを利用した疾患解析を、膝関節や股関節に拡張するために、軟骨のモデル化を目指した拡張を行った。椎体骨を模した単純なシミュレーションモデルで、軟骨と骨との境界部に応力集中が起きるために、骨形成が過剰に促進される事が示された。椎間板や関節など、骨と軟組織が接する部分では、骨棘と呼ばれる骨の過剰形成が観察される事が多く、それが力学的な要因で引き起されている可能性を示唆する結果である。 上記のように、ヒト疾患の解析にiBoneシミュレーションが有用である事が示唆されているが、患者モデルの解析のみでは、シミュレーション結果の検証が困難である。そのため、動物モデルの構築を進めた。まず軟骨特異的にcre組換え酵素遺伝子を発現するマウスの作製について論文発表した。また、岡山大学と共同で、骨に埋まった骨細胞の形態をモデル化する研究を進めた。現在は、大理石病モデルマウスであるopマウスを用い、破骨細胞形成不全が、骨の力学的負荷への適応を阻害している事と、M-CSF投与による大理石病の治癒過程を、実験とシミュレーションを組み合わせる事で解析するための系を構築中している。
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Research Products
(3 results)