2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオームを中心とした歯周疾患関連細菌の新規酸化ストレス応答機構の解明
Project/Area Number |
16591831
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大原 直也 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70223930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 浩次 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80150473)
内藤 真理子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20244072)
庄子 幹郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10336175)
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Keywords | 嫌気性菌 / 歯周疾患 / Porphyromonas gingivalis / 酸化ストレス |
Research Abstract |
Porphyromonas gingivalis(P.gingivalis)はもっとも有力な歯周疾患の原因菌と考えられている。本菌は嫌気性菌であり、酸素存在下では発育しないが、主たる生存部位が酸素に接する機会の多い口腔内歯肉溝であり、酸素抵抗性が強い。このため酸素(酸化)ストレス応答機構を病原性因子としてとらえることができる。本菌の酸化ストレス応答については大きな特徴があることが明らかになった。ゲノム解析の結果、本菌では細菌の代表的な酸化ストレス応答レギュレーターのうちOxyRは存在するが、SoxRSは存在しない。2次元電気泳動法で解析したところ、酸化ストレスによってsuperoxide dismutase(SOD)とalkyl hydroperoxide reductase(AhpC)の合成量が顕著に増加した。OxyR変異株では酸化ストレス条件下における発現量がともに減少しており、特にAhpCのスポットはみられなかった。プライマー伸長法の結果、OxyR変異株で、SOD遺伝子の転写開始点2つのうち、上流側のシグナルが減少していた。またAhpC遺伝子の転写開始点は全く消失していた。ノーザンハイブリダイゼーションにおいてもOxyR変異株ではAhpCのRNAは検出されなかった。またβ-galactosidaseを指標としたリポーターアッセイにおいても矛盾しない結果が得られた。さらにゲルシフトアッセイによりOxyR蛋白質がSOD、AhpCそれぞれの遺伝子の転写調節領域に結合することが確認された。近縁のBacteroides fragilisを含めOxyRによって支配されているSODはこれまでに報告されておらず、興味深い結果である。
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Research Products
(1 results)