2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原細菌のストリンジェント応答とプログラム死機構の解明
Project/Area Number |
16591832
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
鎌口 有秀 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (40133235)
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Keywords | Prophyromonas gingivalis / stringent response / autolysis / growth / peptide / medium / relA / spoT / cell death |
Research Abstract |
成人性歯周炎の主病原細菌の1つであるPorphyromonas gingivalisはペプチドを利用して発育することより、ペプチド濃度の変化はP.gingivalisの発育のみならず、生存にも影響すると想定された。ペプチドが主成分である培地を検索した結果、Trytoneであることがわかった。Tryptone, hemin, menadioneを含有する培地(THM培地)、Tryptone濃度1/2培地(1/2THM培地),Tryptone濃度1/5培地(1/5THM培地)を作成した。P.gingivalisはTHM培地では著しい自己融解がみられたが、1/2THM培地、1/5THM培地では自己融解が減少し、死滅期の生菌数が多く存在することがわかった。THM培地と1/5THM培地での培養菌体のSDS-PAGEによる比較において、1/5THM培地において増加するバンド(145,17.5kDa)と多くの減少するバンド(94,90,86,47,46,42,35,24,23kDa)がみられた。プロテオーム的解析の結果、1/5THM培地ではRgp, groEL, fructose-bisphosphate aldolase class I, translation elongation factor Tsが減少していた。また、ストリンジェント応答に関与するrelA/spot変異株はTHM培地において親株より発育が弱く、自己融解の速度が減少し、さらにSDS-PAGEでの比較で増加するバンドと減少するバンドがみられた。以上よりP.gingivalisのストリンジェント応答が自己融解(プログラム死)に関与することが示唆された。
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