2005 Fiscal Year Annual Research Report
細菌感染により誘導される細胞の老化機構に関する研究
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16591838
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
落合 智子 (栗田 智子) 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (20130594)
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Keywords | アポトーシス / T細胞 / 酪酸 / 酸化ストレス / ROS |
Research Abstract |
1 抗酸化系酵素に対する影響 Mn-SODやZn-SOD,ストレスタンパクであるHO-1の発現に対する酪酸の影響を検討した。Zn-SOD及びMn-SODは酪酸非存在下においても発現が認められたが、HO-1はJurkat細胞では発現が認められなかった。 2 Caspase活性の消長 酪酸によるCaspase-10活性の促進は、NACでの前処理により濃度依存的に抑制された。高濃度(10mM)NAC処理でCaspase-10活性は84%阻害された。更に酪酸誘導アポトーシスにおけるCaspase-10及び-12の関与を各々の阻害剤を用いて調べたところ、いずれも100%の阻害率を示したことから酪酸誘導アポトーシスにおいてはミトコンドリア内でのROSの活性化以外にもERストレス等の関与が示唆された。 3 アダプター分子のPower Blot解析 RT-PCRでの結果と同様に、western blot解析においてもFADD,TRADD及びRIP等のアダプター分子の酪酸による発現増強は認められなかった。一方、Cyclin A, Cyclin B及びCip 1/Waf1等の細胞周期調節因子の酪酸による変動はNAC処理により影響された。更に酪酸はApaf-1の活性を著しく亢進し、活性はNAC処理により100%阻害された。 4 MAPキナーゼファミリーに対する影響 酪酸によるp38活性の増強は、NACでの前処理により抑制された。 以上の結果からVFAは抗酸化系酵素群に影響を与えることなくROS産生を誘導していることが示唆された。更にVFAで亢進されるCaspase 8-及び-10活性がNAC処理により著しく抑制されることからROSのDeathリガンド/レセプター系の関与が示唆されたが、アダプター分子のVFAによる発現増強が認められなかったことから、FasやTNFR以外の未知の系の関与も考えられ今後検討する次第である。
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Research Products
(2 results)