2004 Fiscal Year Annual Research Report
口腔粘膜扁平苔癬のDendritic cellを標的とした治療の試み
Project/Area Number |
16591841
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小宮山 一雄 日本大学, 歯学部, 助教授 (00120452)
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Keywords | lichen planus / dendritc cell / COX2 / sPL2 / assaloGM1 / flowcytometery / follicular dendrtic cell / Th1 cell |
Research Abstract |
口腔粘膜扁平苔癬は,レース状の白斑を特徴とする慢性の難治性疾患であり,多彩な症状を示しす.現在まで原因は不明で,治療は対症療法のみで根治的な治療法はない.病変は組織学的に,上皮下へのTh1 cellの浸潤による,上皮基底層の破壊と再生がみられる複雑な像を示し,上皮層内に多量の樹枝状細胞(DC)の出現が特徴的である.我々は口腔粘膜扁平苔癬の発症メカニズムを研究する目的で,マウス実験モデルを作成しTh1病巣の動態について検討している.現在まで,病巣成立に局所でのIL-2およびINF-gの過剰発現と,NK細胞の役割を明らかにしてきた.本年度は病巣の特徴となっている粘膜白色化を解析し,上皮層の肥厚にCOX2およびsecretory PLA2の過剰発現が在る事を免疫組織化学およびin situ hybridizationで明らかにした.また,これらの変化とDCとの関係を検討するために,マウス実験モデルを用いて,病変成立期のDCの動態を,Thy1, follicular DC, CD11cおよびIaの特異的抗体を用い,flowcytometeryにより検討した.マウス顎下リンパ節および脾臓におけるこれら抗体陽性細胞の動態は,病変成立に伴ってこれらの細胞が減少傾向を示した.この現象はassialoGM1の投与マウスでは,病変マウスと比べ,それぞれThy1は103倍,follicular DCは20倍,Ia陽性細胞は53倍増加し,CD11c細胞は逆に半数となった.脾臓おいても同様の傾向を示したが,数値の変化はより小さいものであった.従来の実験結果でassialoGM1投与が,マウス頬粘膜のTh1病変の緩解を導くことと合わせて,局所リンパ節でのDC細胞数の回復により病巣の治癒を導くことができる可能性が示唆された.今後,DCの分化の状態,局所における動態をさらに検討する予定である.
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