2006 Fiscal Year Annual Research Report
スパイラルCT画像診断を応用した年齢別日本人下顎骨緻密質の骨塩精密定量測定
Project/Area Number |
16591845
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
下田 信治 鶴見大学, 歯学部, 講師 (30139620)
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Keywords | 下顎骨 / 緻密質 / 骨塩量 / 日本人 / ハイドロキシアパタイト / 定量測定 / CT / CT値 |
Research Abstract |
日本人下顎骨骨密度の測定結果は、最終的に収集可能であったデータとして女性104名、男性94名、合計198名であった。 この結果、以下のような成果および下顎骨の年代別データを総括することができた。 1.下顎骨骨密度測定に用いたHA-C標準試料は、最高値が2.14g/cm^3を示し、r=0.999と高い相関係数を示すとともに下顎骨緻密質で示した最高値を十分に包括した。 2.下顎骨緻密質の年代別データでは、男性では30代、40代、50代とほとんど有意な変化は認められなかったが、女性では40代から50代に骨密度のピークを迎え、以後ゆるやかな減少傾向が認められた。 3.下顎骨海綿質の年代別データでは、男性では30代に骨密度のピークを迎え以後緩やかに減少したが、女性では40代に骨密度のピークを迎え50代で大幅な減少傾向を示し、さらに60代では急激な減少傾向が観察された。 4.女性では従来の閉経時期に関する報告と下顎骨海綿質骨密度の急激減少の間には高い相関関係があると考えられた。 また、解剖実習献体14体についてもCT撮影を行い下顎骨骨密度について検討を行った。測定した献体はすべて無歯顎のであり、下顎骨の緻密質のみならず、歯槽頂(前歯部、小臼歯部、大臼歯部)部や下顎頭についても測定した。個体数としては検査数が少ないものの、それらの測定結果は下顎骨インプラント術や顎関節疾患における骨密度の重要な指標となることが期待された。さらに本研究に付随する成果として、マイクロCTによる骨密度の精密定量測定法についても確立することができた。
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Research Products
(1 results)