2004 Fiscal Year Annual Research Report
カンジダアルビカンスから得られた新規水溶性物質の神経栄養・保護作用に関する研究
Project/Area Number |
16591851
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
上西 秀則 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (90084300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 尚子 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (50198800)
小倉 理恵子 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (80320331)
渡辺 泰雄 東京医科大学, 医学部, 助教授 (70183720)
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Keywords | カンジダアルビカンス / Sepabeads SP207 / 低分子物質 / 分化誘導 |
Research Abstract |
本研究は3年間で完成させることを目標に開始された。研究初年度の研究経過ならびに成果は以下のとおり。 1)Candida albicansに由来する機能性物質(分化誘導物質)は培養液には放出されず、細胞内にきわめて微量にしか存在しないため、研究初年度は大量の菌体を収集した。この結果、湿重量でおよそ6kgの菌体を得た。 2)得られた菌体は塩酸・酢酸存在下で加熱抽出し、分子量10,000の限外ろ過を行い、低分子画分を得た。 3)低分子画分をNaOHでpH7.2に調整(中和)し、析出した不溶性物質を遠心操作で除去した。これを出発材料とした。 4)材料はSepabeads SP207に吸着させたのち、各種溶媒を用いて溶出パターンを調べた。 5)この結果、試験材料中には50%メタノールで溶出されるフラクション(以下メタノールフラクション)と、100%アセトンで溶出されるフラクション(以下アセトンフラクション)が存在することがわかった。前者はやや親水性で、後者は疎水性を示す物質であることが予想された。 7)メタノールフラクションはおよそ2g、アセトンフラクションはおよそ1.5g回収された。 6)Sepabeads SP207で分画された二つのフラクションの生物活性を調べるため、我々が開発したバイオアッセイ系で検定した。この結果、メタノールフラクションとアセトンフラクションのいずれもC.albicansの菌糸出現を強く支持した。この成績は 7)メタノールフラクション、アセトンフラクションともに粗標品であるため、目的とする物質がどの程度含まれているのかは不明であるが、仮に100分の1程度が含まれているとすると、それぞれ10mgと15mgで構造解析・決定に供するに十分な量であると思われる。17年度は計画どおり各種イオン交換ゲルなどを用いて精製作業ならびに構造解析に取り掛かる予定である。 8)得られた物質の構造が明らかにされた時点で、有用物質として新たに特許申請を行いたい。
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Research Products
(1 results)