2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591854
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
織田 公光 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10122681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天谷 吉宏 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (50193032)
網塚 憲生 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30242431)
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Keywords | 凝集 / アルカリホスファターゼ / 分解 / 低ホスファターゼ症 / プロテアソーム / 品質管理 / ユビキチン |
Research Abstract |
低ホスファターゼ症は骨や歯の石灰化不全を伴う先天性代謝異常症である。その原因は組織非特異型アルカリホスファターゼ(ALP)遺伝子上の突然変異に起因し、生化学的には血液中のALP活性の減少が際立った特徴である。現在までに150例を超える突然変異が報告されているが、本研究ではcDNA番号1559のチミンが欠失したフレームシフト変異(以下、1559delT)の解析を中心に行なった。 In vitroでの翻訳系及び細胞での発現系の実験により、1559delTは野生型酵素よりもサイズが約12kDa(80残基)大きい66kDaの分子種として翻訳され、さらにN結合型糖鎖による修飾を受けて80kDaの分子種となることが判明した。その第1の特徴は、野生型が膜酵素であるのに対して、1559delTはグリコシルホスファチジイルイノシトール(GPI)による修飾を受けずに可溶性の性質を有することである。但し、細胞外に分泌されるのは一部に限られ、大部分はユビキチン化を受けた後にプロテアソームにより分解された。第2の特徴はジスルフィド結合による高分子量の凝集物を形成していることである。1559delTのC末端側の80残基中の3つのシステイン残基を人工的にセリンに置換した変異酵素は活性を保持し、しかも野生型と同じく2量体を形成した。従って、1559delTは合成される過程でまず活性を有する2量体を形成するが、その後C末端側のシステイン残基間の架橋により凝集物を形成すると推定され、非常にユニークな分子であることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)