2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨芽細胞特異的CGRP受容体 -細胞分化に影響を受けない非1型受容体発現の証明-
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16591855
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
川瀬 知之 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (90191999)
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Keywords | CGRP / 骨芽細胞 / 受容体 / 分化 |
Research Abstract |
先の研究において、われわれは、骨芽細胞MG63に1型CGRP受容体を介する細胞応答とともに1型CGRP受容体の古典的定義に当てはまらない細胞応答性についても確認した。前年度は、細胞内カルシウム動態と細胞膜電位を指標として、cAMPに依存しない細胞応答(非1型受容体を介する)の実態とそのメカニズムについて明らかにした。そこで、本年度においては、この所見をさらに別の指標において実証することを目標とした。 1)CGRP受容体を介する細胞反応のSchild plotによる解析 受容体のCGRP_<8-37>に対する感受性を指標として薬理学的解析を進めた。その結果、cAMP,p38-MAPK,およびCREBのリン酸化は同じ受容体サブタイプ(恐らく1型と思われる)によってシグナル伝達が仲介されていることが示唆されたのに対して、ERKの脱リン酸化はまったくの異なる受容体サブタイプ(非1型)単独か、あるいは1型と非1型受容体サブタイプの複数によって仲介されている可能性が示唆された。 2)CGRP familyであるadrenomedullinやcalcitoninおよびそれらの特異的アンタゴニストによる効果の解析 高濃度のadrenomedullin(ADM)とcalcitonin(CT)において若干のCGRP様作用が認められたが、それらのアンタゴニスト(ADM_<22-52>,salmon CT_<8-32>)が、CGRP_<8-37>のようにCGTPの作用を顕著に抑制することはなかった。これらの結果から、上記のCGRPの作用はADMやCTの特異的受容体を介したものではないと考えてよさそうである。現在、さらに詳細について検討中である。
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Research Products
(1 results)