2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯周ポケット内生息細菌の病原性を直接モニタリング可能な診断法の開発
Project/Area Number |
16591867
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
平塚 浩一 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (80246917)
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Keywords | RNA増幅 / プライマー / in vitro transcription / 原核生物 / マイクロアレイ / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
N6-T7プライマーを使用したRNAの増幅方法が有効であるかを更に検証するために、大腸菌に刺激を加えた群と加えない群との比較で、各遺伝子の発現変化の程度を検討した。大腸菌をmid-log phaseまで培養した後に、一部の大腸菌にcold shock(16℃,1時間)を施し、刺激しない大腸菌群を対象とした。Total RNA回収後、IVT法にて1回増幅及び2回増幅を行う事で得られたaRNA試料または、Affymetrix社の原核生物用GeneChipマニュアルに従って得られたcDNA試料を用いて、アレイ解析を行った。1回IVT増幅と2回IVT増幅の結果から、少なくともどちらか一方の群で発現が認められる遺伝子(1893遺伝子)を対象とし、各遺伝子のcold shock(+)/cold shock(-)比を求め、その相関を調べたところ、相関係数は0.83(p<0.01)と有意に相関が認められた。また、増幅を施さないcDNA試料から得られる結果を、増幅して得られたaRNA試料で得られる結果と比較したところ、1回IVT増幅との相関係数は0.62(n=2090,p<0.01)、2回IVT増幅との相関係数は0.47(n=1.498,p<0.01)であった。これらの相関は統計学的に有意に高いものではあるが、1回、2回IVT試料での相関に比較し低い理由は、元々のシグナル強度の低い遺伝子、言い換えればmRNAコピー数の少ない遺伝子群でのばらつきが、各々のアレイ用試料調製法で生ずるバイアスの違いとして鮮明に現れたことによるものと思われた。従って、より精度の高い解析を行うには、遺伝子の変動倍率を求める前に、発現は認められるが、低いシグナル強度しか持たない遺伝子は解析対象から外すことで相関が高まるものと考えられる。
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