2005 Fiscal Year Annual Research Report
耳下腺腺房細胞における刺激依存性開口放出の分子機構
Project/Area Number |
16591868
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
吉垣 純子 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (40256904)
|
Keywords | 耳下腺 / 腺房細胞 / 初代培養 / 分泌顆粒 / syntaxin6 / VAMP2 |
Research Abstract |
耳下腺腺房細胞では,β-アドレナリン受容体刺激により細胞内cAMP濃度が上昇し,その結果アミラーゼの開口放出が引き起こされる。我々は,刺激依存性アミラーゼ分泌の分子機構について研究を進めており,分泌顆粒上に存在するタンパク質であるVAMP2が必須であることを見いだしている。しかし,現在までのところ耳下腺腺房細胞では,刺激依存性分泌能および分泌顆粒を維持している培養細胞は確立しておらず,そのことが分子遺伝学的な解析を妨げてきた。我々は本研究において,耳下腺腺房細胞の初代培養細胞系を確立し,外来遺伝子の導入を行った。我々の作成した初代培養細胞は,今までの報告と異なり,腺房細胞に特徴的な活性である刺激依存性アミラーゼ分泌能および分泌顆粒形成能を維持していた。さらに,GFP-VAMP2が分泌顆粒に観察されることから,タンパク質のソーティングも性状に行われていると考えられた。この系を用いることによって,腺房細胞の機能について解析することが可能になった。さらに,我々は耳下腺から分泌顆粒を精製し,密度勾配遠心により分泌顆粒を分画することによって,未成熟の分泌顆粒と成熟顆粒に分けることに成功した。未成熟分泌顆粒上にはsyntaxin6が多く存在しており,成熟顆粒には刺激依存性分泌に必要なVAMP2が濃縮していることを見いだしている。そこで,syntaxin6の変異遺伝子を作成し,初代培養細胞に導入して48時間後に抗アミラーゼ抗体による観察を行った。その結果,syntaxin6変異遺伝子によって,分泌顆粒の数が減少していることが確認できた。このことから,syntaxin6が未成熟分泌顆粒の形成に重要な役割を担っていることが示唆された。
|
Research Products
(1 results)