2004 Fiscal Year Annual Research Report
耳下腺のホスホリパーゼD活性化シグナリングと開口分泌
Project/Area Number |
16591875
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
神谷 真子 朝日大学, 歯学部, 助手 (80181907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八代 耕児 朝日大学, 歯学部, 講師 (50182316)
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Keywords | ホスホリパーゼD / イノシトールリン脂質 / 脂肪酸 |
Research Abstract |
本研究は,ラット耳下腺のin vivo開口分泌における頂端側形質膜ホスホリパーゼD(PLD)の機能解明を目的としたものである。 PLDはホスファチジルイノシトール-4,5二リン酸(PI(4,5)P_2)によってGTP-γ-S非依存的に活性化されるが,この活性化効果はホスファチジルイノシトール-4リン酸(PI4P)など他のイノシトールリン脂質では認められずPI(4,5)P_2に特有であった。またホスファチジルイノシトール(PI)は逆にPLD活性を阻害した。PIによって阻害されたPLD活性はPIP_2の添加によって濃度依存的に回復したので,PLDはPI(4,5)P_2とPIの量的バランスで活性調節されている可能性が示唆された。そこで耳下腺におけるイノシトールリン脂質代謝酵素系を検索したところ,頂端側形質膜で全細胞画分中最も高いPIのリン酸化活性(PI→PI4P)と,それと同等のPI4Pの脱リン酸化活性(PI4P→PI)を検出した。同条件でPI4Pのリン酸化活性(PI4P→PI(4,5)P_2)も検出されたが脱リン酸化活性に比較して著しく低く,PI4Pの代謝は脱リン酸化の方向に傾いていた。以上の知見から、無刺激状態における耳下腺頂端側形質膜ではPI(4,5)P_2レベルが低く,PIレベルが高くなる方向に調節されており,結果としてPLD活性が抑制されている可能性が示唆された。 次年度からはイノシトールリン脂質の代謝動態とPLD活性との相関を遊離細胞を用いてさらに検討し,in vivoにおけるPLD活性調節機構の解明をはかる。現在in vivo実験系構築のための遊離細胞調製法の改良を進めているが,分泌応答の安定性向上のためには,振とう条件等のさらなる検討が必要であり,改良を試みつつ実験を進めることにする。
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Research Products
(1 results)