2006 Fiscal Year Annual Research Report
交感神経による骨代謝制御におけるニューロペプチドYの役割
Project/Area Number |
16591876
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
新井 通次 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (20097538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸苅 彰史 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (80126325)
蛭川 幸史 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (60340147)
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Keywords | ニューロペプチドY骨髄細胞 / イソプレナリン / 破骨細胞誘導 / 骨髄細胞 / 交感神経 / 骨代謝 / cAMP |
Research Abstract |
ニューロペプチドY(NPY)は中枢に広く分布するが、末梢では交感神経終末にノルアドレナリンと共存することが知られている。NPYの受容体(R)には5つのサブタイプが知られているが、本研究では、RT-PCR法にてマウス骨髄細胞およびマウス骨髄由来ストローマ細胞株ST-2細胞において、NPY-Y1RのmRNA発現を認めた。また、これらの細胞にβ2-アドンナリン受容体(AR)が存在することは既知のことであるが、改めてそのmRNAの発現を確認した。そこで、マウス骨髄細胞において、β-AR作動薬のイソプレナリン(ISO)、副甲状腺ホルモン(PTH)、活性型ビタミンD3(VD)、可溶性破骨細胞誘導因子(s-RANKL)、フォルスコリン(FK)およびジブチリルcAMP(db-cAMP)による破骨細胞形成に及ぼすNPY併用の影響を検討した。その結果、NPYはISOおよびPTHによる破骨細胞誘導を抑制したが、VDおよびs-RANKLによる破骨細胞誘導には影響を及ぼさなかった。また、NPYはISOによるRANKLおよびcAMP産生を抑制したが、VDによるRANKL産生には影響を及ぼさなかった。一方、NPY単独による破骨細胞形成、RANKL産生およびcAMP産生に対する作用はいずれも認められなかった。アデニル酸シクラーゼを活性化し細胞内cAMPの産生を促進するFKおよび外因性にcAMPを供給するdb-cAMPは共に破骨細胞形成を誘導した。NPYはFKによる破骨細胞形成を抑制したが、db-cAMPによる破骨細胞形成には影響を及ぼさなかった。すなわち、骨芽細胞/ストローマ細胞において、cAMP産生の増大が一連の破骨細胞形成に関わる反応を引き起こすことを確認した。これに対し、NPYはそのcAMP産生を抑制することで破骨細胞形成に抑制的な作用を発現することが示唆された。以上の結果は、マウス骨髄細胞培養系において、NPYはISOが誘導するcAMPおよびRANKL産生を抑えることで破骨細胞形成を抑制することを示し、骨吸収におけるISOとNPYの相互の作用を示唆した。
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