2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591877
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
池尾 隆 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40159603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 愛子 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (50140215)
田村 功 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70278571)
合田 征司 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (70351476)
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Keywords | 肥満 / 骨芽細胞 / 歯髄細胞 / アディポサイトカイン / アディポネクチン / レプチン / 漢方薬 |
Research Abstract |
【in vitro実験系】まず、マウス由来骨芽細胞株(MC3T3-E1)を用いて骨芽細胞機能に及ぼすアディポネクチン(AN)の作用を検索した。アディポネクチンレセプターの遺伝子発現をsiRNAで抑制したところ、アスコルビン酸によって誘導されるBMP-2、オステオカルシン、オステオポンチンなどの骨芽細胞の分化、石灰化能に重要な分子の遺伝子発現が抑制された。 また、口腔領域におけるアディポサイトカインの役割を明らかにするために、ヒト歯髄由来線維芽細胞を用いてANとレプチン(LP)の作用を検討した。まず、Western BlottingでANとLPのレセプターの発現を確認し、アディポサイトカインが歯髄由来線維芽細胞にも作用することを明らかにした。次に、培養細胞にANおよびLPを添加したところ、ANは細胞増殖を促進するとともにBMP-2を増加させたが、LPは細胞増殖には影響せず象牙質シアロタンパクを増加させた。これらの結果から、ANはヒト歯髄由来線維芽細胞の増殖・分化に、LPは象牙質形成に影響を及ぼすことが示唆された。 【in vivo実験系】単純性肥満マウスの脂肪組織細胞におけるアディポサイトカイン遺伝子発現の変化と漢方薬投与の効果について検索した。特殊配合高脂肪飼料を3週齢のマウスに10週間投与し、単純性肥満マウスを作製した。さらにこのマウスに漢方薬(単純性肥満改善薬)を6週間投与し、その効果を脂肪組織細胞の形態的・機能的変化から検討した。その結果、高脂肪食による単純肥満は、脂肪組織において、高血圧に関与するLPやインスリン抵抗性を惹起するTNFαの遺伝子発現を増加させ、逆にインスリン感受性亢進性で動脈硬化の修復に作用するANやアディプシンの発現は抑制した。本実験で処方された漢方薬はこれらの単純肥満によるアディポサイトカインの発現異常を正常な状態に改善した。
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Research Products
(5 results)