総合的画質定量評価法に基づく歯科用デジタル画像診断システムの至適画像表示法

2004 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16591888
• Research Institution: Kyushu University
• Principal Investigator: 吉浦 一紀 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (20210643)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 清水 真弓 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (50253464) ; 徳森 謙二 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (40253463) ; 筑井 徹 九州大学, 大学病院, 講師 (10295090) ; 河津 俊幸 九州大学, 大学病院, 助手 (20294960)
• Keywords: 物理特性 / 心理物理特性 / 診断能 / コントラスト特性 / 至適画像表示 / 画質評価

Research Abstract

デジタル画像の至適処理法を始めとする画像表示法については一定の見解が得られておらず、画像処理法、画像表示法については各使用者が好みに応じて種々に運用しており、そのためデジタル画像に含まれる豊富な情報量が、診断・治療に反映されていない。本研究は、研究代表者らがこれまで蓄積してきた歯科用デジタル画像の物理的、臨床的特性に基づき、疾患の種類に応じてその診断能を最大にする至適画像表示法を開発することを目的とし、平成17年度は以下について検討を行った。
1.各種デジタルシステムの物理的性能評価
各種デジタル画像診断システムの物理特性として、コントラスト特性、解像度、感度について、研究代表者らが開発した独自の分析システムを用いて定量的に性能評価した。
2.各種デジタルシステムの心理物理特性評価
次に、2種類の低コントラスト視覚評価用ファントムを開発し、上記システムより得られた画像を観察者に提示し、Perceptibility Curveテストにてシステムの心理物理特性を評価した。
3.観察者の齲蝕診断能の評価
上記デジタル画像診断システムを用いて、抜去歯のデジタル画像を取得した。それらの画像を観察者に提示し、ROC解析にて齲蝕診断能を評価した。
4.システムの物理特性と心理物理特性および診断能との相関
1.にて得られた3種類の物理特性と2.にて得られた心理物理特性、および3.にて得られた齲蝕診断能との相関について、回帰分析にて評価した。その結果、システムのコントラスト特性と心理物理特性および齲蝕診断能に強い相関が見られた。これらの結果を用い、次年度は最大の診断能が得られる至適画像表示法の開発を進める予定である。