2005 Fiscal Year Annual Research Report
cPLA2アセチル化が紫外線によるDNA障害に及ぼす影響
Project/Area Number |
16591890
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Research Institution | Nagasaki university |
Principal Investigator |
田代 茂樹 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20300882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佛坂 由可 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10244089)
片山 郁夫 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80295089)
角 忠輝 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80284701)
中村 卓 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30172406)
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Keywords | アセチル化 / cPLA2 / DNA障害 / Tip60 / 紫外線 |
Research Abstract |
1.アセチル化が転写制御に深く関与していることはヒストンやp53、Mdm2などの報告から明らかであり、DNA障害におけるcPLA_2の果たす役割を解明する上で重要である。またcPLA_2のアセチル化部位についてはその三次元構造からアミノ末端のK19,K29,K32および、カルボキシ末端のK741,K746,K749のそれぞれ3個のリジンを予想し、現時点ではアミノ末端に絞り、解析している。DNA障害時におけるcPLA_2の挙動がクロマチン構造に変化を及ぼし、転写関連因子と連携することによって後に起こる細胞の変化を矛盾なく説明できると考えている。 2.cPLA_2と結合するTip60は紫外線刺激によって活性化されることが報告されている(EMBO21:1704-1712,2002)。このデータからcPLA_2も紫外線により活性が調節されることは十分に推察できる。実際に紫外線によりcPLA_2がリン酸化され活性化が示唆される報告(BBA1229:23-33,1996)もなされている。Tip60は転写抑制因子とリンクして遺伝子発現調節を行っていることが報告された(Cell110:55-67,2002)。そこで本研究ではDNA障害時に核内に移行したcPLA_2およびTip60によってアセチル化されるcPLA_2が修復機構やアポトーシスにどのように影響するか解明した。cPLA_2とTip60の結合が紫外線刺激によってどのように変化するか免疫沈降法を用いて解析したところ、紫外線の強さに関係なくcPLA_2とTip60は常に強く結合していた。この結合は温熱刺激などでも変化はなかった。 3.紫外線刺激と温熱刺激における細胞の感受性が似ていたので主に温熱刺激実験を行って解析をした。細胞を高密度に生育させると致死感受性が低くなり、cPLA2の発現が多いと致死感受性が高くなった。また、DNA修復を示すH2AXの発現を共焦点レーザー顕微鏡像やウエスタンブロッティングで確認した。
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