2004 Fiscal Year Annual Research Report
抗細菌性蛋白βディフェンシンの遺伝子導入とDNAワクチンを応用した抗腫瘍性の獲得
Project/Area Number |
16591894
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
安彦 善裕 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (90260819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
賀来 亨 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (60133253)
荒川 俊哉 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (40306254)
永易 裕樹 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (90265075)
奥村 一彦 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (60194510)
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Keywords | βディフェンシン / 遺伝子導入 / 抗腫瘍性 / 扁平上皮癌 |
Research Abstract |
抗細菌性のタンパクであるβディフェンシンは扁平上皮の分化に関与していることから、扁平上皮癌ではこの発現増強により、分化が促進され、細胞の増殖が抑制されると思われる(直接作用)。また、βディフェンシンには樹状細胞のケモカインとしての働きもあることから、腫瘍の免疫樹状細胞療法への応用も期待される(間接作用)。本研究では、これらの作用をin vitroで明らかにするために実験を行った。 本年度は、直接的作用による抗腫瘍性を検索するために、まず、アデノウイルス発現ベクターβディフェンシン発現系の構築を行った。構築のために、既に単離されているヒトβディフェンシン1,2,3の全コード配列を含むcDNAをベクター内で同時にGFP個別に発現できるプラスミドpIRES-hrGFPベクターにつなぎこみ、さらにアデノウイルス発現システム及びEGFP-N1ベクターを用いて組み換えβディフェンシン/GFP-アデノウイルス発現ベクターを作製した。また、同時に、扁平上皮癌由来細胞のヌードマウスへの移植を行った。細胞には、SAS-H1とBSC-OFさらにβディフェンシンの発現が減弱しているKB細胞を用いた。また、間接的作用による抗腫瘍性を確認するために、βディフェンシンのDNAワクチン系の構築を行った。すなわち、βディフェンシン遺伝子と悪性リンパ腫の腫瘍抗原断片の遺伝子とを連結させた発現ベクターを構築した。以上のように、本年度はβディフェンシンの抗腫瘍直接作用と間接作用を明らかにするための、ベクターの構築、動物実験への腫瘍の植え込みなどが主であった。
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Research Products
(6 results)