2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591898
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
今井 一志 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (10328859)
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Keywords | 口腔癌 / HMGA2 / 転写因子 / SChIP |
Research Abstract |
胎仔発生過程の未分化間葉系細胞の分化と成長に重要な役割をもつ転写因子であるhigh mobility group A2(HMGA2)が、ヒト口腔扁平上皮癌細胞に高頻度に発現し、口腔癌患者の5年生存率と密接な関連をもつことから、HMGA2が結合し転写調節をおこなう標的遺伝子を網羅的に同定することを目的として研究を開始した。既存の解析法では未知の転写因子標的遺伝子を網羅的に同定することは不可能であるため、クロマチン免疫沈降法を改良することで、網羅的かつ簡便に未知の標的因子を同定することを可能にするSChIP法を開発した。また、得られた遺伝子配列をデータベース上で解析し標的遺伝子種を決定する作業の効率化を図るために、解析用コンピューターソフトウェアの開発も併せて行った。ケラチノサイトおよび扁平上皮癌細胞のHMGA2標的遺伝子は未知であったが、今回の新規解析技術により、約100種類の遺伝子種がHMGA2により転写調節を受けていることが明らかになった。これらは口腔扁平上皮癌細胞に発現することで、癌細胞の脱分化や増殖性の亢進を招き、口腔癌の高度悪性化に働くと予想される。現在、得られたデータを検証するために、リアルタイムRT-PCRによるmRNA発現レベルとの比較、ウエスタンブロットによるタンパク質レベルとの比較を行っている。これらのデータを踏まえて、ヒト口腔癌とHmga2遺伝子欠損マウスの組織切片を用いたin situ hybridizationおよび免疫組織染色を計画中である。
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Research Products
(3 results)