2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591909
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
吉羽 永子 新潟大学, 医歯学系, 助手 (10323974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉羽 邦彦 新潟大学, 医歯学系, 助手 (30220718)
竹中 彰治 新潟大学, 医歯学系, 助手 (50313549)
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Keywords | う蝕 / 修復 / GaAlAs半導体レーザー / 象牙質・歯髄複合体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、レーザーを応用したより快適でより生物学的なう蝕治療法の確立のための基礎データを得ることである。細胞生物学的、免疫組織化学的手法を用いることにより、レーザーの象牙質・歯髄複合体への生物学的影響を解析し、さらには積極的な修復・再生を意図した新たな生物学的う蝕処置の確立を目指そうとするものである。 1,マウスの培養歯髄組織における半導体レーザーの影響について 知覚過敏症における半導体レーザーの応用がなされており、臨床的には効果があることが報告されている。しかしながらそのメカニズムには不明な点が多い。骨組織においては、半導体レーザーは未分化な骨芽細胞の増殖を促進していることが報告されている。常生歯であるマウス切歯を取り出し、in vitroにおいて半導体レーザーを照射し、BrdUの取り込みを指標として、歯髄細胞増殖に対する影響を検討した。その結果、半導体レーザー照射群は非照射群に比べ、BrdU陽性細胞が多く観察された。特に、照射群においては未分化象牙芽細胞においてBrdU陽性細胞は多く観察されたが、非照射群においてはこの領域のBrdU陽性細胞はほとんど観察されなかった。歯髄組織においても細胞分化との関わりが示唆される。 2,ヒト歯髄組織に対する半導体レーザーの影響について 修復材の辺縁漏洩が著しく向上し、漏洩による歯髄組織のトラブルも、臨床上かなり少なくなっている。しかしながら、早期に一層の修復象牙質が形成されることが望ましい。ヒトの歯の窩洞形成後に半導体レーザーを照射した後、レジン充填を施し、一ヶ月後抜去し、組織切片を作成した。象牙質の厚さ3分の2を越える深い窩洞にレジン充填を施すと、一ヶ月後ではHLA-DR陽性細胞が象牙質に沿って並び、基質形成細胞はまだ観察されない。ところが同じ条件の窩洞でも、半導体レーザーを照射したものでは、一ヶ月後において、HLA-DR陽性細胞は希薄であった。ラットの歯では半導体レーザー照射で急速に硬組織が形成されることを報告している。ヒト歯髄においても同様な効果が期待された。
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Research Products
(3 results)