2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591912
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田代 陽子 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (20362981)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊澤 俊次 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20273998)
鳥井 康弘 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 教授 (10188831)
高畑 安光 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10362980)
吉山 昌宏 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10201071)
|
Keywords | 孤束核 / 最後野 / ドーパミン受容体mRNA / in situ hybridization / ラット |
Research Abstract |
【in situ hybridization実験】 7週齢、雄のS.D.ラットを用い最後野、孤束核を含む厚さ10μmの延髄前額断凍結切片を作製した。前年度に作製したPCR産物(D1〜D5mRNAに対する)を各々ベクタープラスミドpCR【○!R】IITOPO【○!R】(Invitrogen)のSP6とT7プロモーター間にサブクローニングした後、大腸菌を用いてクローニングした。精製したプラスミドDNAを制限酵素BamHIで直鎖化し、T7 RNA polymeraseを用いて転写合成したものをantisense probeとして、制限酵素EcoRVで直鎖化し、SP6 RNA polymeraseで転写したものをsense probeとしてジゴキシゲニン標識RNAプローブを作製し用いた。in situ hybridizationでは前処理に、proteinase K処理、4%PFA/PBSによる後固定、0.2N HClによる処理を行った後上昇系エタノールで脱水し、風乾した。ハイブリダイゼーションは、50℃で約20時間湿箱内で反応させた。免疫学的検出には、ブロッキング処理の後、アルカリフォスファターゼ標識、抗ジゴキシゲニン抗体を用いて、室温で30分反応させ、アルカリフォスファターゼの基質にはBCIPを、発色の強化にはNBTを用い、遮光下で5〜12時間反応させた。対比染色には、2%メチルグリーンを用い、Pristine Mountで封入し実体顕微鏡下で観察した。その結果、ドーパミンD2,D5受容体mRNAが最後野に、ドーパミンD2受容体mRNAの局在が孤束核に認められた。一方D1,D3,D4受容体mRNAは認められなかった。この結果は、前年度の組織からのRNA抽出物の分析結果(RT-PCR実験)、さらにドーパミン受容体タンパク質の局在(免疫染色実験)とも整合性がある。これまでの研究では中脳側坐核においてD2ドーパミン受容体がstress-induced-analgesiaに関与していることがわかっている、そして、今回の実験で最後野にもD2ドーパミン受容体が存在することが明らかになった。最後野は孤束核、三叉神経脊髄路核と線維連絡があり、孤束核にもD2ドーパミン受容体の存在が明らかになっている。これらの事実から、最後野、孤束核、三叉神経脊髄路核を含む延髄には窩洞形成時の自律的疼痛抑制機構が存在する可能性が考えられる。
|