2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢義歯装着者の義歯清掃指導プログラムの作成と指導効果の判定
Project/Area Number |
16591933
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
下山 和弘 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (30171010)
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Keywords | 高齢者 / 義歯 / 清掃 / 清掃指導 |
Research Abstract |
口腔内の健康の維持・増進は心身の健康の維持・増進に密接な関係がある。高齢者では義歯使用者が多く、義歯の適切な清掃は口腔の健康維持、全身的な健康維持になくてはならないものである。これまでの研究の中で、歪ゲージを貼付し校正を行った義歯用ブラシを作製し臨床上使用できることを確認し、実際に義歯用ブラシを測定に使用してきた。それとともに、義歯用ブラシによって義歯に加えられる力と指のタッピング動作との関連を中心に検討を加えてきた。すなわち、高齢義歯装着者を対象に、磁気センサー型指タッピング装置による指の機能評価、義歯清掃時に義歯用ブラシで負荷される力、義歯清掃に関する意識調査を行った。磁気センサー型指タッピング装置による指の機能評価では、30秒間、なるべく大きく早く指を動かしてタッピング動作をする課題を与えた。解析は、距離波形から、速度波形、加速度波形を作成し評価を行なった。義歯用ブラシで負荷される力の測定は、義歯用ブラシの柄にひずみゲージを貼り、4アクティブゲージ法で行った。測定では、ひずみゲージからの出力を増幅した後、A/Dコンバターを経由しデジタル信号とし、パソコンに記録した。義歯用ブラシにより負荷された力の最大値、ストローク毎の最大値の平均、10秒間のストローク数などで評価を行った。指のタッピング運動と義歯清掃時にブラシにより加えられる力との関連が示唆された。そこで本年度はさらにこの関連について検討を推進した。得られた結果からは、高齢者の口腔清掃状況の低下を考えるときには、汚れを適切に除去する器用さなどが大きくかかわっていると思われる。適切な口腔清掃が行えるかいなかの指標として、指の機能評価を使用できると考えられる。
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