2004 Fiscal Year Annual Research Report
高感度ストレス感受性蛋白を指標とした悪性腫瘍摘出患者のQOL評価
Project/Area Number |
16591946
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西川 悟郎 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00172635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸尾 幸憲 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60314697)
岡本 信 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00325094)
沖 和広 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00346454)
皆木 省吾 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80190693)
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Keywords | QOL / 精神的ストレス / ストレス・マーカー / 構音障害 / 腫瘍摘出手術 / 顎義歯 / 発語明瞭度 |
Research Abstract |
口腔領域に生じた悪性腫瘍摘出後には重度な発音障害や咀嚼障害が引き起こされる場合が多くみられる.これらの患者には通常,顎義歯による補綴治療が施される場合が多い,顎義歯によるQOLの評価は発音試験や咀嚼試験などによって確認される.しかしながら,顎義歯に対する患者の不満感のなかでも発音に対する不満は,発語明瞭度試験などの単なる数値のみでは評価できない場合がしばしばみられる.そこで本研究は,発語時における不満の指標として,ストレス負荷時に唾液中に放出されるストレス・マーカーに着目した.発語時におけるこれらの物質の濃度変化を捉えることができれば,患者の発語に対する不満の客観的評価が可能となることが考えられる. 研究内容に同意の得られた,悪性腫瘍摘出手術により上顎骨欠損を生じた7名の患者と,対照となる6名の顎骨非切除者を対象とを対象として、発語時における唾液中のストレス・マーカーであるHuman Chromogranin A(以下,CgA)およびcortisolの濃度を測定した.患者群のCgA濃度は発語に上昇する傾向を示した.しかしながらcortisolでは発語にともなう変化は認められなかった.また対照群では,いずれのストレスマーカーにおいても,発語にともなう濃度変化は認められなかった.これらのことから,CgAは悪性腫瘍摘出患者の発音の不満の客観的評価方法の指標となりうる可能性が示唆された.今後は,被験者数を増やすとともに被験者に装着された義歯の状態等を含めて検討する予定である.
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Research Products
(1 results)