Research Abstract |
1.ポータブルブラキシズム検出装置の適正検出閾値の設定 新規開発された家庭睡眠環境下での使用が可能な貼付型簡易筋電計によるブラキシズム評価の妥当性を,睡眠ポリソムノグラフィー(PSG)による筋活動量測定結果と対比させることにより,前者の診断機器としての有用性(感度,特異度)がどの程度,妥当性,信頼性を示すか否かについて就寝中の咬筋活動量をPSGと筋電計にて検討を行った. その結果,感度とブラキシズムイベントの相関係数は0.75,0.82および-0.29(cut-off level:40%,30%および20%最大噛み締め)であった.一方特異度は0.55から1.00の範囲であった.これらの中で,最も優れたcut-offレベルは最大噛み締め時の40%であり,この場合,感度:0.63,特異度:0.73であった.これらのことから,本筋電計は,最大噛み締め時の40%のcut-offレベルで,中等度から重度のブラキシズム患者の検出に有効な機器であることが確認できた. 2.ブラキシズム検出装置の改良ならびに感度,特異度の解析 上記結果より,本検出装置のブラキシズム検出のCut-off levelを40%と設定し,かつ検出基準にCut-off levelを超過した咀嚼筋過緊張イベントのうち,最小間隔ならびに最小持続時間クライテリア(それぞれ3秒,1秒)を適用するよう仕様を変更した.その結果,新仕様の検出装置は,感度:0.92,特異度:0.91と非常に高い検出精度が得られた. 3.ブラキシズム検出装置を用いた測定精度の検討 大規模疫学研究に先立ち,被験者自身による貼付を行った場合の測定精度を検討した.すなわち複数連続夜にわたり本検出装置を被験者自身が貼付し,ブラキシズム頻度のばらつきを測定し,安定したデータが得られるのに最低限必要な測定日数を検討した.その結果,測定開始3日後には被験者のブラキシズムデータに安定が認められた.
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