2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591952
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田地 豪 広島大学, 病院, 助手 (80284214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤川 安正 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00127599)
津賀 一弘 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (60217289)
吉田 光由 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50284211)
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Keywords | 要介護高齢者 / 義歯使用 / 義歯治療 / EBM / 意思疎通 / 縦断研究 |
Research Abstract |
高齢者に義歯治療を開始する際、義歯使用が可能か否かを診断することは、患者のQOLの観点や医療経済学的観点からもきわめて重要であり、介護の必要のない自立高齢者ばかりでなく要介護高齢者においても義歯使用が可能か否かの臨床判断が必要となる。これまでの研究により、要介護高齢者における義歯の使用は、身体的・精神的健康状態に依存する可能性が高いことが示唆されているが、診断のためのエビデンスはほとんど欠いたままである。そこで、本研究の目的は、高齢者の義歯治療成績を縦断的に調査し、義歯使用に影響を及ぼす因子を評価することで義歯治療の適応を診断する指標を確立し、診断ストラテジーを作成することである。 平成16年度では、療養型医療施設に入院中の高齢者107名を被験者として選択し、実際に義歯治療を行い、ADLや義歯の自立装着などと義歯の使用状況との関係を検討した。診査項目として、ADL、義歯の種類、旧義歯の有無、義歯の着脱、意思の疎通、義歯治療後6ヵ月の使用状況などを選択した。新義歯装着6ヵ月後にその使用状況と使用の可否に影響を及ぼす臨床的因子を検討したところ、約70%の者が義歯を使用しており、この使用に意思疎通の有無が有意に関係していた。この結果から、MMSEやHDS-Rなどの神経心理学領域での痴呆の評価、意識障害の程度などの詳細な検討が必要となったため、現在、別の療養型医療施設に入院中の高齢者を被験者として、神経心理学領域の項目と義歯使用との関係について検討している。
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