2005 Fiscal Year Annual Research Report
顎機能障害の診断、治療方針決定のためのデータベース構築
Project/Area Number |
16591968
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
古屋 良一 昭和大学, 歯学部, 教授 (80092435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 明幸 昭和大学, 歯学部, 助教授 (10119208)
船登 雅彦 昭和大学, 歯学部, 講師 (10146897)
菅沼 岳史 昭和大学, 歯学部, 講師 (10196694)
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Keywords | 顎機能障害 / データベース / プロトコール |
Research Abstract |
平成16年度に製作したデータベース入力用フオーマットに顎機能障害患者のデータの入力を行い、約150症例をデータベースに蓄積した。これらのデータを集計した結果、初発症状は雑音が46%、疼痛が43%と多かった。主訴は疼痛が71%と最も多かった。現症は疼痛が90%と最も多く、雑音が53%、開口障害が51%、他の訴えが47%認められた。自発痛は少なく、運動痛は顎関節で30%と多く、閉口筋で15%認められた。圧痛は閉口筋で33%と多く、顎関節で21%認められ、開口筋や胸鎖乳突筋でも10%以上認められた。雑音は単発性のクリックが62%と最も多く、レシプロカル・クリックが26%、クレピタスが12%認められた。開口障害は約半数に認められ、30〜39mmが27%、20〜29mmが19%で、10〜19mmも4%認められた。他の訴えでは肩頸部のこりや痛みが31%、頭痛が29%と多く、耳の症状も19%認められた。エックス線検査による骨形態異常は7%と少なかったが、吸収性骨変化が最も多かった。咬合に関しては咬頭嵌合位の異常が11%、歯牙接触の異常が27%認められ、早期接触も咬頭干渉も大臼歯部に多く認められた。不安抑うつテストでは疑診・確診の判定が不安で34%、抑うつで15%認められた。顎関節学会の症型分類ではI型が26%、II型が13%、IIIa型が19%、IIIb型が21%、IV型が7%、V型が14%であった。治療法は生活指導と理学療法がそれぞれ58%と多く、薬物療法36%、スプリント療法28%であった。これらの結果より導き出された症型毎のルールに従い、顎機能障害の診査、診断用のプロトコールを作製した。顎機能障害を有する新患を対象に診査データをノート型パーソナルコンピュータにチェアサイドで直接入力し、診断および治療方針はデータベースの分析より求められたルールに基づいて実施し、治療結果はデータベースに蓄積した。
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