2004 Fiscal Year Annual Research Report
欠損補綴治療は大脳皮質の神経活動を可塑的に変化させるか
Project/Area Number |
16591969
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
成田 紀之 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (10155997)
|
Keywords | 光トポグラフィー / 咀嚼 / 嚥下 / 成分分析 / 機能局在 / 補綴治療 / 皮質活動 / 可塑的変化 |
Research Abstract |
1.咀嚼と手足運動に関連する皮質活動性を比較検討した. 2.咀嚼と嚥下時の皮質血流変化を検討した. 3.咀嚼と嚥下との活動性の差異を検討した. 4.下顎運動・筋放電と脳血流との関連性を検討するためのプログラムを作成中である. 〔方法〕 光トポグラフィー(ETG-100 HITACHI)により,咀嚼・嚥下ならびに手指運動時の皮質Hb濃度の計測を行った。いずれの運動も安静40秒後に10秒間行わせ,それを5回繰り返した.データの加算処理は運動前,後における安静20秒間と運動10秒間を対象とした.計測された全被験者の総Hb濃度のデータを加算平均したのち,主成分分析による解析を行った.さらに,画像表示システムを介して,この解析結果から得られたHbトポグラフを脳磁気共鳴描画(f-MRI)上に転写してその機能局在を検討した. 〔結果〕 1.手足運動時の皮質活動は咀嚼・嚥下時のそれと比べ内側に局在した. 2.咀嚼ならびに嚥下時の皮質脳血流はその第1主成分に典型的な脳血流パターンを示した.一方,第2主成分はいずれも運動中にHb濃度が低下し,運動後に上昇するといった筋血流を示唆する変化を示した.さらに第1主成分のトポグラフィーは咀嚼野,一次感覚/運動野,補足運動野さらには後頭頂領域に活動性を示した. 3.咀嚼と嚥下時の脳血流の比較では,嚥下に比べて、咀嚼時の後頭頂領域は有意に高い皮質活動性を示した. 4.現在,顎運動解析プログラムを作製中である. 今後,NIRSマッピングを補綴臨床に用いることで,咀嚼・嚥下時の皮質活動性を可塑的変化として評価できるものと考える.
|
Research Products
(2 results)