2004 Fiscal Year Annual Research Report
咬合支持を可能とする生体吸収性足場を用いた培養骨の開発-再生医学の応用-
Project/Area Number |
16591976
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
馬場 俊輔 財団法人先端医療振興財団, 再生医療研究部, 主任研究員 (40275227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 陽一 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (20345903)
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Keywords | 再生医療 / 足場 |
Research Abstract |
本研究においては、培養細胞と生体吸収性足場技術を利用して、新生骨の力学的機能を考慮した足場を開発することにある。足場は、天然歯やインプラント周囲欠損部に対する治療において骨芽細胞の発育を促し、また細胞だけでは十分な量が得られない場合はそれらを補填するために用いるものであるが、現在市販されている足場であるハイドロキシアパタイトやリン酸カルシウム系材料は骨の再生能の点において満足できるものではなく、さらに骨細胞形成能においても評価できるものではない。これらの問題点は、自己由来の骨芽細胞と足場の組み合わせによって、細胞成長能を十分に促進させることができないことにある。さらに、これらの足場は、足場としての機能を考えた場合、生体に埋植後、一定期間に自分の骨に置き換わることを期待する生体吸収性足場ではないことから、吸収性が備わり、さらに内部の気孔性が高く、骨芽細胞や血管が進入しやすく、加えて口腔内で咬合力を負担しうる強度を有する構造でなければ、再生骨を機能的に評価することは困難である。今回の研究では、この問題を解決するために、エナメル質、セメント質、歯根膜、歯槽骨の起源である自己由来の未分化間葉系幹細胞(MSCs)と最適化設計した生体吸収性足場を用いて咬合支持に耐えられる培養骨を開発し、天然歯の周囲骨、歯槽骨はもちろんのことインプラント周囲の骨を再生させる点に特徴がある。それを達成させるために、今回の研究においては生体吸収性の足場を設計することにより、培養骨芽細胞の活性度に応じた足場材の構造を最適化することができ、より効率的骨再生に加え、創傷治癒、骨形成促進作用も期待できる足場を開発すべく、今年度にカゴ状の編み込み型足場に細胞を播種する計画を策定した。これは組織再生用足場としてPLAへ繊維1本で編み上げた織物構造体の足場で、カゴ形状で内部に空洞を有しており,ここに細胞を入れることにより細胞の着床率を上げ,大きな欠損部に用いる目的で作成したものであり、現在実用化されているものは細胞をスカフォールドの内部まで播種することが困難であるが,このスカフォールドは開口部を有しており,臨床時に内部に播種して必要寸法に切断することが可能で,手術時に欠損部に合わせて形成できる.また,スカフォールドと欠損部の界面で体液が循環できる構造となっている点で有用である。ここに播種する細胞の最適化を計るべく、細胞培養条件の検討も今年度に行い、足場と細胞の組み合わせ条件について知見を得た。その結果、足場に播種する細胞の接着効率だけからではなく、足場の力学特性も関与させる必要があることが明らかとなった。
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