2006 Fiscal Year Annual Research Report
咬合支持を可能とする生体吸収性足場を用いた培養骨の開発-再生医学の応用-
Project/Area Number |
16591976
|
Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
馬場 俊輔 (財)先端医療振興財団, 歯槽骨再生研究グループ, 主任研究員 (40275227)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 陽一 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (20345903)
日和 千秋 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (80294198)
|
Keywords | 再生医療 / 足場 |
Research Abstract |
足場は、天然歯やインプラント周囲欠損部に対する治療において骨芽細胞の発育を促し、また細胞だけでは十分な量が得られない場合はそれらを補填するために用いるものである。既存の足場の問題点は、自己由来の骨芽細胞と足場の組み合わせによって、細胞成長能を十分に促進させることができないことにある。さらに、これらの足場は、足場としての機能を考えた場合、生体に埋植後、一定期間に自分の骨に置き換わることを期待する生体吸収性足場ではないことから、吸収性が備わり、さらに内部の気孔性が高く、骨芽細胞や血管が進入しやすく、加えて口腔内で咬合力を負担しうる強度を有する構造でなければ、再生骨を機能的に評価することは困難である。 今回の研究においては生体吸収性の足場を設計することにより、培養骨芽細胞の活性度に応じた足場材の構造を最適化することができ、より効率的骨再生に加え、創傷治癒、骨形成促進作用も期待できる足場を開発すべく、これまでに組織再生用足場としてPLA繊維1本で編み上げた織物構造体の足場で、カゴ形状で内部に空洞を有しており,ここに細胞を入れることにより細胞の着床率を上げ,大きな欠損部に用いる目的で作成したものであり、現在実用化されているものは細胞をスカフォールドの内部まで播種することが困難であるが,このスカフォールドは開口部を有しており,臨床時に内部に播種して必要寸法に切断することが可能で,手術時に欠損部に合わせて形成できるものを作成したが、まげ強度に問題があり操作性を向上させる必要から今年度は、PLA繊維の周囲にPCLのバインダーで強度を補った。また,ヒト間葉系幹細胞をかご型スカフォールドに接着させ、培養を行った。その結果、PLAで製造されたスカフォールドの生分解速度は遅く、細胞の増殖及び骨系への分化誘導が可能であったがスカフォールドは6ヶ月以上の長期に亘り外形を保持されたままであった。これらのことから、スカフォールドの吸収分解速度と培養骨芽細胞の骨再生速度の調節が重要な課題となり、PLAのin Vivoにおける挙動を確認するための動物実験をしたところ12wで骨の再生が確認され足場の吸収も確認された。細胞のみの移植と比較しても良好な結果が得られた。
|
Research Products
(1 results)