2004 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸カルシウム系生体材料によって閉鎖された人工的顎裂部への歯の移動
Project/Area Number |
16591979
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松井 桂子 東北大学, 大学病院, 助手 (00302159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌倉 慎治 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80224640)
越後 成志 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70005114)
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Keywords | リン酸カルシウム系生体材料 / リン酸オクタカルシウム / 骨再生 / 人工的顎骨欠損 / ビーグル犬 |
Research Abstract |
本年度は,骨代用剤として製品開発中のリン酸オクタカルシウム(以下OCP)を用いて実験を行った.ビーグル犬の下顎骨および頭蓋冠において人工的に形成した骨欠損部に対しOCP単独移植,およびOCP+コラーゲンの複合物の移植を行った.これはOCPをヒト口腔領域へ応用した際に歯の移動や排列に適する必要充分量の骨形成が可能か否かを確認することを目的とした. 実験の内容は下顎骨において口腔内より左右両側各々の臼歯部の粘膜骨膜を切開剥離し,下顎下縁部まで露出させ下顎骨下縁を含む10×20mmの矩形の骨欠損を作製した.左右両側それぞれにOCP単独,OCP+コラーゲンの複合物質を移植し,剥離した粘膜骨膜を復位縫合し同部の手術を終了した.次いで骨代用材の効果を評価する一方法である頭蓋冠規格化骨欠損モデルを形成した.これは頭蓋冠に直径20nmの円形の骨欠損を2箇所作製し,下顎骨と同様にOCP単独,OCP+コラーゲンの複合物質を移植した. これまでラットなどの小動物において頭蓋冠規格化骨欠損モデルを用いOCPを応用した骨形成に関する実験が行われてきた.それによればOCP移植により骨形成が促進され,あるいは移植したOCP自体が骨形成の土台となり,欠損部は新生骨の産生により修復促進された^<1)>.しかし,本実験のようにイヌなどの中動物においてOCPを移植した場合の骨形成能に関わる実験は未施行であったため,その効果は確認されていなかった.本年度は臨床応用のモデルとして中動物においてもOCPによる骨形成が可能であるかを確認し,将来的にヒトの口腔領域において形成された新生骨への歯の移動,排列が可能となるかさらに顎骨欠損が修復されうるかの指標を得ることとした.次年度において実験件数を増やし骨形成状況等の評価を行う予定である. 参考文献1)鎌倉慎治:新しい骨再生療法の試み 東北大学歯学雑誌21:75-86,2002
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Research Products
(1 results)